近年じわじわと人気が出てきている木工旋盤。趣味としても仕事としても取り組む人が増えているように思います。お皿やお椀など暮らしの道具が短時間で出来上がるのが魅力ですね。
僕は、飛騨高山での木工修行時代に木工旋盤に出会い、前職の岐阜県立森林文化アカデミーでは木工旋盤の授業も担当してきました。そして、一般の人でも本格木工ができる木工シェア工房「ツバキラボ」を立ち上げましたが、そこでも木工旋盤に取り組めるようにしています。東海エリアでは、一般の人が木工旋盤を習えるのは「ツバキラボ」が唯一の選択肢になると思っています。(ツバキラボについてはこちらをご覧ください)
さて、そんな人気が出てきている木工旋盤ですが、機械、道具を揃える場合、購入先は国内では非常に限られています。その一つとして、「木工旋盤同好会」という業者が静岡県浜松市にあります。ここの特徴は、ハイエンドな木工旋盤を扱うこと、そして徹底的にお客様の期待を裏切らないことです。
ツバキラボでは木工旋盤同好会からROBUST American Beautyという高級機種を購入しています。
今日は、その「木工旋盤同好会」について紹介したいと思います。
目次
20年ちかく木工旋盤を専門に扱ってきたことから生まれる信頼
木工旋盤同好会(http://www.woodturning.jp/)は、鈴木直人さんが代表を務める国内唯一の木工旋盤専門業者です。鈴木さんは機械や道具の販売という側で20年近く日本の木工旋盤業界の発展を支えてきた方です。世界中のさまざまな木工旋盤の情報を収集し、また技術向上にも努め、知りえた情報技術を長年国内で発信してこられました。
そのため、ユーザー側の視点、メーカー側の視点、そしてプロの視点でさまざまなアドバイスをしていただけます。
自らの経験をもとに説得力あるお話をされる鈴木さんと話しをていると、自然とこの人なら信用できるなと思えると思います。
「どんなものづくりをしたいのか」から始まる機種選び
木工旋盤を買いたいんだけど、という相談をたまに受けますが、僕は必ず木工旋盤同好会の鈴木さんに一緒に会いに行くようにしています。ネットだけではわからない話を鈴木さんから教えていただき、ちゃんと考えたうえで機械選びをしてほしいからです。
鈴木さんは必ず「どんなものづくりをしたいのか?」と問います。
つまりは、これから10年20年付き合っていくことになる木工旋盤を選ぶにあたって一番に考えるべきは、自分がどんなものづくりをしていこうとしているのか、というところをはっきりすることが出発点だからです。機種選びで失敗しないためにも正しい知識得て、自分の目で確かめることが大事であると、鈴木さんは教えてくれます。
世界で認められた機種を扱う、その理由は?
木工旋盤は安い機種では5万円程度から購入できます。通常多くの人のターゲットとなるのは10万円前後のミディサイズと呼ばれる中型の卓上旋盤ですが、このクラスの機種であれば国内では何軒か取り扱っている業者があります。
しかし、木工旋盤同好会で購入できる木工旋盤はミディサイズのものでもVicmarc VL150という機械で30万円です。
以前は、10万円以下の卓上旋盤(Delta 46-460)を扱っており、僕も1台購入しています。この機種は今でも卓上旋盤の中では価格、スペックともに優れておりNo.1だと思っています。
しかし、それ以後木工旋盤同好会ではDelta46-460を扱うことを中止しました。その理由を聞くと、メーカー資本が中国の企業に移り、酷な条件での取引になってしまい、それはユーザーに迷惑をかけてしまう、ということでした。つまり、薄利多売のビジネスを強いられ、壊れたときの保証や部品の供給などがほぼ望めなくなったようです。
現在、木工旋盤同好会は、代表の鈴木さん自らメーカーの経営陣とコミュニケーションを取り、メーカー側の信念、スタンスを確認したうえで、取引をしています。メーカー側と信頼関係を築いたうえで商売をされている。そのため何か問題が起きても、鈴木さんに連絡すれば何とかしてくれる、という絶対的な安心感があります。メーカー側とも月に1回は情報交換をしているとおっしゃっていました。
他の業者が扱う木工旋盤はすべて中華系のなか、木工旋盤同好会で扱う機械は世界の中でハイエンドクラスのメーカーばかり。その理由は上に書いたような事情があるようです。
だから、アフターケアは安心してお願いできる
本来あるべきものづくりは何か。
メーカー側としっかり信頼関係を築いているからこそ、アフターサービスがしっかりしていけるのです。機械は高いけど、売って終わりではなく、ちゃんと相棒として機械と付き合っていけるよう万全の態勢でいてくれます。
以前、森林文化アカデミーが10年ほど前に購入した機種で不具合があったときでも連絡すれば「最後まで面倒見ますよ」と言っていただけました。すごいことです。
ショールームはハイエンド機種でいっぱい!
ということで、先日浜松のショールームにお邪魔してきましたが、ぎっしりと置かれた高級機種。圧巻です。
アメリカのメーカーROBUSTのSCOUT。その奥には、ツバキラボでも購入したAmerican Beautyがありました。
カナダのONEWAY。もとは自動車部品のメーカーだった企業が世界で勝負できるものをということで始まったのがONEWAYです。おかれていたのは2416という高級機種と1224という中型機。
そして、イタリアンブルーで有名なVicmarcの機種がたくさん!その中でも、最小限のスペースで最大限のものづくりが可能なVL240sはスペースに限りがある工房にとっては魅力的な1台ですね。
新しいツールの紹介だけでなく、技術講習もお願いできます。
技術的に難しかったり、やり方がわからなかったりすれば、鈴木さんに相談して、技術的アドバイスを受けたり、最適なツールを紹介してもらうことができます。
木工旋盤の世界は日進月歩。
海外では、いかに安全に簡単にできるか、という視点で物が開発されているので、さまざまな便利ツールが次から次へと出てきます。最新の情報に詳しい鈴木さんのところに行くたびに、新しい情報を教えていただけます。
また、木工旋盤同好会では技術講習も対応していただけます。以前は定期的にやっていたそうですが、現在は機械の購入予定者や購入者に都度実施しているそうです。
木工旋盤を買うならまずは木工旋盤同好会に相談してみましょう。
木工旋盤はものづくりのすそのを広げるひとつ。現在人気がじわじわと出てきており、やってみたいという人も多いでしょう。
木工旋盤を購入できるところは限られていますが、機械選びで失敗したくないという人はまず木工旋盤同好会に相談してみましょう。もちろん扱う機械は高級なものばかりなので予算的に合わないかもしれません。しかし、どんなものづくりがしたいのか、それを軸にさまざまな提案をしてくれます。
木工旋盤同好会
(代表:鈴木直人氏)
〒433-8111 静岡県浜松市中区葵西6丁目1-43
(コンビニ サークルK浜松葵店を路地に入って突当りにあります。)
TEL:090-7037-5124
WEB:www.woodturning.jp
Email:woodturning1@gmail.com(@を半角にしてください)
木工旋盤の専門メディア「ターニング トーク」を作りました!
国内で若い世代からシルバー世代まで愛好家が増えている木工旋盤ですが、日本で木工旋盤を紹介する専門メディア(ウェブサイト)がありませんでした。ですので、作りました!この記事を読んでいただくのももちろんいいですが、ぜひ専門メディア「ターニング トーク」をチェックしてみてください。初心者にとって必要な情報から、道具や技術上達に参考になる情報、海外の最新情報などを紹介していきます。