2015年2月15日、16日の2日間、大阪八尾市にあるNAKAJIMA WOODTRNING STUDIOで木工旋盤のマンツーマンレッスンを受けてきました。(2017年に松原市へ移転しています。)
目次
西日本では初の本格木工旋盤教室
NAKAJIMA WOODTRNING STUDIOはなんと僕と同い年の中島信太朗さんが運営している木工旋盤専門の教室です。大阪八尾市の交通量の多い国道沿いにあり、スタジオ自体はパチンコやネットカフェなどが入るエンターテイメント施設の1階にあります。
木工旋盤教室は日本ではまだまだ少なくて、本業としてやられているのは中島さん含めて2名ほど。まだまだこれから広まっていく余地があると思います。で、そのもう一つのほうは埼玉県にあるため、遠くてなかなか習いに行こうという気になれませんでした。1年半前に中島さんが大阪で教室を始められ、大阪なら近いし、よし、これは機会を見つけていってみよう、と思っていたのです。
↓ちなみに東海エリア初の本格木工旋盤教室はツバキラボ↓
1泊2日のマンツーマンレッスンを申し込みました
HPを見ると、数時間で気軽にできるコースから数日間かけてがっつりやるコースまでいろいろ対応できますって書いてあります。その中で「短期集中カリキュラム 2DAYSコース」を申し込むことにしました。
僕が木工旋盤のスキルアップを望む理由としては、なんといっても教えなければいけないから。学校の授業で木工旋盤を担当しているので独学での限界を超えたいからでした。そのため、事前に教えていただきたいことをメールで伝え、2日間その内容に沿って指導いただくことにしました。
ハイエンド機種が並ぶ夢の木工旋盤教室
スタジオの中は、ギャラリーショップスペースとカウンターバーのような空間と奥の工房といった3つの空間に分かれていました。
奥の工房には、ウェブでしか見たことのないハイエンドのROBUSTのAmerican Beauty、最近周りでも所有者が増えているPOWERMATICなどの大型の木工旋盤がドンドンドンと並んでいました。僕も持っている卓上旋盤のDELTA460もちょこんとありました。ちなみに、買うならどれがオススメか聞くと、機能的にはAmerican Beautyだが1台100万なので、断然コスパがいいPOWERMATICだとおっしゃってました。40万でこのスペックであれば文句なしとのこと。フムフム。
工房は集塵用の配管がしっかり1台ごとにしてあって、サンディングの粉が工房中に舞い上がることはありません。また、ペレットストーブがあり工房内はあったかいのです。しかもこのペレットストーブで使うペレットは工房で出る切り屑を自分でペレットに加工し使っているとのことでエコです。ペレット製造マシーンは調子悪いらしいですが。
初日からみっちり、でも時にゆるく
さて、初日工房につくと奥で旋盤作業をしていた中島さん。僕が来たことに気付くと、ささっとコーヒーを出してくれ、カウンターでちょっと雑談というスロースタートでした。その中でどういったことを教わりたいか再確認したうえで、じゃあ始めますか、と工房へ移動しました。
僕が習いたかったことは大きく分けて4つ。
1.高さのあるコップのような筒状の成形
2.ボール形状の上手な成形の仕方
3.平面に近いお皿の成形の仕方
4.各刃物の研ぎ
初日は、コップ形状のものから始めました。枝を円形にして、そこから筒状の掘り込みをしていきます。何気ないことでも見たことのない道具だったり動作で作業をするのでその都度質問しながら進めていきました。限られた設備の中でやっているのとは違い、こういう専門の教室は最先端の技術、道具があるので非常に勉強になります。
無事筒状の成形が終わるころにはすでにお昼!あっという間の時間でした。
ランチは、有名とんかつ屋さんがあるということで、その弁当買ってきてくれ、いただきました。おしゃれなカウンターで中島さんとアシスタントの井上さんの3人でとんかつを食らうというギャップが面白かったです。
さて午後は、ボウルを挽くことになりました。その場でチェンソーを使って丸太から木材を切り出す中島さん。ワイルドです。そして、その木を旋盤にとりつけます。さすが3馬力のAmerican Beautyです。大きくてごつごつなやつでも安定して回せます。
で、そのごつごつから削っていったのですが、思い通りの形状に削れません。刃物が安定しないのです。中島さんは的確に悪い癖を見抜きました。刃物を動かす際、左右の手の動きにバランスが取れていないんだそうです。そのため、ずっとずっとそれを練習することになりました。
ひたすら削る。何度も何度も左右の手のバランスを意識しながら。結果、大きかった木はあっという間にちっちゃくなっちゃいました!
でもですね、やっぱりやるもんですね。自分の癖が何なのか、どう意識すればいいのかやっているとわかってきて、最終的にはその悪い癖を克服することができました。ひたすら削る僕に、ひたすら刃物を研ぎなおしてくれた中島さん、非常にありがたいです。木工旋盤で刃物の研ぎはすごく重要とわかってはいるものの、研ぎたての刃物がここまで切れ味が良いことを実体験として再認識できたことはよかったです。
初日は、こんなところで終わりました。
宿泊施設がある!素晴らしい!
こういう日をまたいだレッスンで気になるのは宿泊です。でもNAKAJIMA WOODTRNING STUDIOは宿泊できる部屋があるんです!これは素晴らしい。1泊2500円。寝れる場所があるってとてもいいことです。部屋、トイレ、お風呂など清潔でした。何よりうれしかったのが、寒くなかったこと。
ちなみに、同じ建物内にCOCO壱番屋、ラーメン屋、ネットカフェがあり、向かいには吉野家やレストランがあり、さらにコンビニも近いので食に困ることはありません。僕は中島さんにベトナム料理屋に連れて行ってもらいました。
2日目はボウルターニングのリベンジとお皿、そして研ぎ
さて、初日で作れなかった大きなボウル。2日目にリベンジしましたが、前日の特訓のおかげで非常にスムーズに作ることができました。体に染みついていました。特訓あるのみということですね。
そして、薄いお皿の成形に挑みました。薄いものを挽くときに必ずぶち当たる壁が波模様らしくて、僕も今回相当悩まされました。ちょっとしたことで刃物が振動し、進むにつれて大きくなり、波模様を作っていきます。その振動をいかに抑えるか、その方法をアドバイスいただきながら短時間でこの難題もクリアすることができました。
そして1日の最後に研ぎについて教えてもらい、2日間のレッスンが終わりました。
難しい技術はあるといっても、結局立ち返ったのは基本です。つまり基礎をしっかりマスターすることが次のステップへの入り口になり、上達への一歩なんだと、ひしひし思いました。今回教わったことを確実に身に着けれるよう日々努力したいと思いました。
2日間みっちり旋盤に向き合って、次につながる確かな実感がありました。中島さん、ありがとうございました!
NAKAJIMA WOODTRNING STUDIO
info@nakajimawoodturningstudio.com
072-926-7082
(10:00〜18:00 火・水曜定休)
木工旋盤の専門メディア「ターニング トーク」を作りました!
国内で若い世代からシルバー世代まで愛好家が増えている木工旋盤ですが、日本で木工旋盤を紹介する専門メディア(ウェブサイト)がありませんでした。ですので、作りました!この記事を読んでいただくのももちろんいいですが、ぜひ専門メディア「ターニング トーク」をチェックしてみてください。初心者にとって必要な情報から、道具や技術上達に参考になる情報、海外の最新情報などを紹介していきます。