三越日本橋本店で開催されている「あたらしい工芸 KOGEI Future Forward」展を見てきました。
工芸という言葉はとても解釈が難しくて、特に僕のように美術の基礎知識がない人間からすると厄介な言葉です。「Craft」という言葉に対応するため明治黎明期に作られた言葉が「工芸」というが、そもそも今クラフトと一般的に使われているニュアンスとここでいう「Craft」という言葉と、工芸という言葉のニュアンスがどうもしっくりこないんです。
とはいっても、これが新しい工芸だ、と言われればそれを「工芸」としてみることはできます。
美術を評する能はないけれど、美しいものを美しいと感じることはできるし、それを今後の作品作りに活かすことはできるのです。
工芸未来派とは
工芸はかつて2度の衰退期があり、そのたびに新たな姿で蘇ってきたとのことで、21世紀に入ってから3度目の大きな変革期を迎えているそうです。
この展示会の監修を務める秋元雄史東京藝術大学教授の言葉があります。
作者の表現欲求が強く、一方で工芸的な歴史や技法材料にも敏感であるという特徴を持っている。この二つの特徴のおかげで、絵画や彫刻、あるいは現代美術に準じる美術表現とも、道具として割り切れる工芸作品とも異なった、美術と工芸を行き来するような、横断的で中間的な表現を産んだのである。(中略)私は、こうした新しい傾向の工芸を「工芸未来派」と名付けて....
図録内”「工芸未来派」というあたらしい工芸”より
うーん、むずかしいですね。
工芸未来派の特徴もまとめられていました。
- 個人的で、情緒的、感情的な表現
- マンガ、アニメーション、ゲーム、デザイン、現代美術など、ほかの文化ーー特にポップカルチャー、サブカルチャーの影響がみられる
- 神話・伝説・童話などの物語を背景に感じさせる。ナラティブ、空想的、寓意的である。
- 上記する要素を表現するために工芸技術が活用されており、ときにそれが原理的、徹底的である
ふむ。
これがきれいだった。
山本愼哉氏の作品。
こちらも山本愼哉氏のもの。
きれいですね。
ほかにもたくさんの作品の展示がありどれもさまざまな感情に訴えてきました。
この展示会は2月20日まで。
今回、見ることができてよかったです。