ついに!!
10月15日、木工旋盤の本が発売になりました!!
思い立ってから1年半!ここまで長かった!
でも世に出せました!
おめでとう自分!
ありがとう!支えてくれた多くの人たち!
・これから木工旋盤を始めよう!
・始めたけどちょっと難しくて難儀している
・何から手を付ければいいのかわからない、
・独学でやってきたけれど、自分の技術に自信がない、
などなど、いろいろあると思いますが、
初心者向けということで、国内で初めて、そんな方々が頼りにできる教科書のような本が出来上がりました!!
僕が運営する木工旋盤ショップ 「ツバキラボツールズ」でも扱っています!
さて、今回は、この本の魅力を著者自ら語ります!
目次
悲願だった木工旋盤の本の出版
僕が「ツバキラボ」を開業し、木工旋盤の教室とシェア工房を運営し始めてから、ずっと初心者向けの本が必要だと思っていました。日本語で読める木工旋盤の本は、唯一、川口康さんが自費出版で出されていましたが、上級者向けの情報も多く、かつ専門用語目白押しで、初心者が読んでも理解できない内容でした。ちなみに、僕の教室では、オリジナルのテキストを作成し使っていました。
初心者の方が最初に手にする「ザ・定番」みたいな本が1冊あればいいのになぁ、と漠然と考えていましたが、それを自分で本を出すというところまでは全く考えられませんでした。
その考えが変わったのが新型コロナウィルスが猛威を振るいだした2020年3月。
世の中が緊急事態宣言がもうすぐ出されるぞ、というころ、このまま木工旋盤の教室をやっていても、木工旋盤を広く普及させることはできないし、増え続ける旋盤人口がそのまま旋盤難民になってしまう、という危機感が大きくなりました。そのためウェブメディアを作ろう!とサイト作りを始めたのですが、ウェブサイトにたどり着ける人以外はどうすればいいのだ?となり、やっぱり「本」という形でひとまず抑えるべき内容を体系的にまとめて情報を提供すべきだ、という考えになりました。
そこで、企画書を書き、出版社をあたり始めました。
しかし、本が売れなくなっているこのご時世、木工旋盤というニッチなジャンルで売れるかどうかもわからない本を出してもいいよって言ってくれる出版社なんかいません。まさに門前払いです。やはり本を出すというのは難しいのか、と思い、一方で商業出版ではなく、自費出版でもいいかなと思い始めていました。
しかし、その考えを真っ向から反対したのが岐阜県立森林文化アカデミーの久津輪教授でした。彼に相談したところ、本を出すなら絶対に商業出版じゃないとダメだと力説されました。自費出版は、自己満足で終わってしまう。しっかりプロのカメラマン、編集者と一緒に取り組み、そして本の流通に乗せることで初めて洗練された内容の本が多くの人の手に届くんだ、と。
そして、DIY雑誌ドゥーパを手掛ける(株)キャンプを紹介していただきました。豊田社長に企画書をお渡しし、協議の結果、出版に向けて動き出すことになりました。
そこから1年数か月、担当となった編集者とカメラマンと共に、本の中身、ターゲット、校正を考え、撮影・編集して、レイアウト作成、原稿執筆、校正など、慣れない作業で泣きたくなる(投げ出したくなる)日々を過ごしながら、とうとう出版までこぎつけました。
初心者にとって大事なことに特化
今回の本は、初心者向けです。初めて木工旋盤を始めようと思った人がまず手にすべき本であり、内容はそういう人たちが求める情報のみにしています。
専門用語を極力避ける
木工旋盤は、海外から入ってきたものです。そのため多くの言葉がカタカナが多いです。
ある程度旋盤をやっていると、わかった気になってしまい、改めて説明することを忘れがちです。僕自身、教員として旋盤を教えていた時期もあり、さらに今は一般の人対象に旋盤教室を運営しています。なるべく初心者にわかりやすい表現、言葉を選んで説明をするように心がけていますが、それでもついつい専門用語を使ってしまったりしてしまいます。
原稿でそんな専門用語がドンっと入ってくると、編集者は、意味が分かりません、とはっきりと指摘してくれます。そういう作業を繰り返す中で、より初心者にとってわかりやすい内容になったのではないかと思っています。
刃物の動かし方を本でも伝わるように!
更には、本はすべて静止画の世界です。動画では動きの流れを見ることができますが、静止画ではそれができません。よって、心がけたのは、連続写真を入れることでした。
編集者からは、同じような写真は削除してください、って何度も何度も指摘されましたが、連続写真を並べて掲載することで一番肝である刃物の動かし方(軌道)を伝わるように工夫しました。
また、連続写真が載せられない場合は、写真上に矢印を入れてどう動かしているのかがわかるようにしています。
とにかく刃物の動きをしっかり習得することこそが初心者から抜け出す一番の近道なのです。
初心者にとって必要な情報を厳選して掲載
作品作りで必要な一連の項目(機械、道具、刃物、サンディング、塗装)を網羅しています。これから機械を購入する人、これから刃物を揃える人、これから初めて作品作りをする人、それぞれ必要な情報を載せています。
もちろん、素材である木についての知識も重要項目です。木工の業界にいると当たり前のように木材を仕入れますし、木の知識はありますが、一般の人からするとなかなか馴染みのない世界です。木材の入手の仕方、乾燥について、そして木材の動きや特性などもしっかりとカバーしています。
12の作例はすべて「食」の道具
今回の作例はすべて食の道具に絞りました。僕のこだわりは、身近な木を使って、自分でくらしの道具を作り、それを用いて暮らすことです。食は、暮らしに直結するものです。その食の道具を自分で作ることこそが、自分で暮らしを築くことにつながります。
たぶん、この本を見ながら旋盤でものづくりをしていけば、いつのまにか、自分の食卓は木の器で満たされていると思います。
まとめ
以上、著者自ら今回の「木工旋盤の教科書」の魅力を語ってみました。
少しでも多くの人にとって、木工旋盤が楽しい趣味となって広まっていくことを祈っています。
僕が運営する木工旋盤ショップ 「ツバキラボツールズ」でも扱っています!