今日もみなさん、ドリルドライバー握ってますか?
さて、ドリルドライバー。
木工や建築系の人たちにはあまりにも当たり前の電動工具なわけですが、いまいちちゃんと機能を理解しているかといわれると、スピード調整やトルク調整やさまざまなモードなど使い分けている人って少ないんじゃないか、と思います。
DIYerのみなさんもドリルドライバーの機能をちゃんと理解して作業すると、作業効率も出来も上がるんじゃないかと思います。
目次
まずは基本を押さえましょう
まずは基本的な使い方ですが、4つのことを確認したいと思います。ビットの取り付けから回転させるまでの一連の動作です。
ビットの取り付け~キーレスチャック~
ドリルドライバーはでは一部インパクトドライバーと同じスリーブ式のチャックのものもありますが、購入するならキーレスチャックのものがいいと思います。一般的なチャックは3つの支点(爪)でドライバービットやドリルビットなどの先端工具をつかみます。これの緩める、締めるを専用工具なしで手でできるのがキーレスチャックです。
ドライバーの先端部を回すだけで先端工具をがっちり固定したり、取り外したりできるわけです。
正逆回転
ドライバーには時計回り(正)に回すときと、反時計回り(逆)に回すときの2種類の回転があります。この正逆を切り替えるのがこちらのスイッチです。
右手でドライバーを持った時に人差し指側から押すと正回転。
親指側から押すと逆回転になります。
またキーレスチャックを手でぎゅっと握りながら正回転させると3つの爪が締まります。
反対に逆回転させると爪が広がります。
これを覚えておくと、先端工具の取り付けが素早くできるようになります。いちいち手で回転させなくてもいいんです。
トリガー~無段変速に慣れましょう~
先端工具が取り付けられたら、トリガーを引いて回します。このトリガーの引き加減で回転スピードを調整することができます。
これは絶対に慣れておきましょう。
ポイント
- トリガーを少し引けば、ゆっくり回ります。
- トリガーをめいいっぱい引けば、高速回転します。
ネジを締める時は、必ずゆっくり回しはじめましょう。最初からめいいいっぱいトリガーを引いて高速回転させるとネジ頭をなめてしまう可能性が高くなります。
ドライバーの向きに注意する
ネジ締めや穴あけなどを行うときは、必ず先端工具の向きを確認しましょう。
特に、ネジを締める場合、ネジの向いている方向とドライバーの先端工具の向いている方向がずれていると、上手にネジ締めができません。先端工具のの先端とネジの先端の向きが一直線上になるようにすることが重要です。
慎重にいく場合は、必ず片手でやらず、ドライバーをもっていない手で、本体を支えましょう。これをするだけで、ドライバーのブレが大幅に減少します。
また、ネジ締めでも穴あけでも、工具の先端方向に力が加わっていることが大事です。特にネジ締めの場合は、ドライバービットの先端がねじの+の溝にしっかりはまっていることが重要のため、つねにその方向に押し付けている必要があります。場合によっては体全体で体重をかけてネジ締めをしたり穴あけをしたりします。
使いこなすための3つの機能
さて、ドリルドライバーを使いこなすには、搭載されている機能をしっかり理解する必要があります。
ネジ締めと穴あけではモードを切り替えましょう
まずはモードです。
機種によっては、搭載されているモードの数は違うと思いますが、通常はドライバーモード、ドリルモードが一般的です。また、振動ドライバードリルというものにはハンマーモードが搭載されています。下の写真では、左からハンマーモード、真ん中ドライバーモード、右がドリルモードになります。
ポイント
- ドライバーモード:その名の通り、ドライバーで、ネジ締めを行うときにつかう。トルク調整可能
- ドリルモード:穴あけの時に使う。トルク調整はできず、最大トルクで回転
- ハンマーモード:打ち付け方向に打撃を与えながら回転する。(インパクトドライバーの打撃とは仕組みが違う)
正しいトルク設定でこんなに結果が変わる!
さて、ドリルドライバーの最大の特徴であるトルク調整です。クラッチ機構のトルク調整ができるのです。クラッチ機構とは、回転力を伝える仕組みです。また、ある一定の条件でその回転力を遮断することもできます。トルクというのは、回転力を意味する言葉です。
つまり、回転力を設定したら、それ以上の回転をしないようにできるというわけです。ネジを締めすぎて、木に埋もれてしまった、ネジ頭を切ってしまったというようなことを防ぐことができ、正しく設定すれば、毎回きれいなネジ締めが可能になるわけです。
写真のようにドライバーモードに合わせたうえで、その上の数字がトルクになります。通常1・2・4・6・8・・・などと数字が並んでいて、数字が大きくなればトルクは強くなります。通常2の倍数で表示されていますが、その中間部分でも合わせることができます。(そこまで細かく使い分ける必要はないと思いますが)
では、どう違うのか、試してみました。
まず、スギの板に28mmのコースレッド(木ネジ)をねじ込んでみます。
左からトルクが弱い順に並べてみました。12以上では強すぎて、木材の中にぐいぐいもぐりこんでしまいました。
横から見てみます。1,2,4,6では、ネジの頭が木材まで達していません。8はきれいに木材の表面と同じぐらいのところでとまりました。それ以上になるとめり込んでいきます。
つまり、スギに32ミリの木ネジを使うときは、トルクを8に設定するときれいにねじを締めれることが分かります。
次に、固い広葉樹のナラで試してみました。
1,2,4,6では全く力が弱すぎて、入っていきません。それでも2よりは4、4よりは6のほうがより入っているのがわかると思います。また、8,10でも頭が入らないといったところです。
12、14でもまだ頭が入らない。一番強い16でなんとか表面まで達しました。
では、トルク調整なしのドリルモードでやるとどうなるでしょう、ってことでやってみましたら、
なんと、しっかり木材に少し食い込む程度までネジ締めができました、といいたいですが、
結局力が強すぎてネジ頭が切れてしまったのです。
つまり、今回のケースでは、16に設定しておくといいということが分かります。
ちなみに、この実験では、下穴なしでねじを打ち込んでいるので、このような結果になっていますが、しっかり下穴をあけてネジ締めをすれば、違う結果になります。(あくまでもトルク調整で違いが出る、というところを見せるためのものです)
時にはスピードの切り替えも重要です。
機種によっては、スピードの選択ができるものがあります。マキタでは「1」「2」という数字で分けられています。1が低速、2が高速ということですが、通常は「高速」で使っていても特に問題はありません。上で説明したように、トリガーの引き具合で速度は無断で調整できるからです。
では、それなのになぜこのようなスピード調整があるのでしょうか。
実は、トリガーで調整できるスピードは、単なる回転速度の調整ですが、スピード調整での「高速」「低速」の選択はトルクに関わってくるのです。
ポイント
- 「高速」:トルクは弱くなる。トルクが弱い状態で負荷のかかりやすい長いネジのネジ締めや大きな穴をあける作業をするとモーターに余計な負荷がかかり、故障の原因に
- 「低速」:トルクが強くなる。長いネジ、大きな穴などの作業に適している
失敗の少ないネジ締めと穴あけを!
これらの機能をちゃんと理解して使い分けることで、失敗が少なくなります。意外とプロの人でも理解していても使い分けていなかったりすることが多いですが、それでも機能を知っていると知っていないでは大きな違いです。
使えば使うほど感覚的に操作できるようになるものなので、どんどん使って慣れていきましょう。
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