DIY 木工 電動工具

トルク調整でこんなに違う!ドリルドライバーを使いこなすための基本機能と正しい使い方

2017年2月24日

今日もみなさん、ドリルドライバー握ってますか?

さて、ドリルドライバー。

木工や建築系の人たちにはあまりにも当たり前の電動工具なわけですが、いまいちちゃんと機能を理解しているかといわれると、スピード調整やトルク調整やさまざまなモードなど使い分けている人って少ないんじゃないか、と思います。

DIYerのみなさんもドリルドライバーの機能をちゃんと理解して作業すると、作業効率も出来も上がるんじゃないかと思います。

まずは基本を押さえましょう

まずは基本的な使い方ですが、4つのことを確認したいと思います。ビットの取り付けから回転させるまでの一連の動作です。

ビットの取り付け~キーレスチャック~

ドリルドライバー 使い方

ドリルドライバーはでは一部インパクトドライバーと同じスリーブ式のチャックのものもありますが、購入するならキーレスチャックのものがいいと思います。一般的なチャックは3つの支点(爪)でドライバービットやドリルビットなどの先端工具をつかみます。これの緩める、締めるを専用工具なしで手でできるのがキーレスチャックです。

ドリルドライバー トルク調整 インパクトドライバー 違い 使い方

ドライバーの先端部を回すだけで先端工具をがっちり固定したり、取り外したりできるわけです。




正逆回転

ドライバーには時計回り(正)に回すときと、反時計回り(逆)に回すときの2種類の回転があります。この正逆を切り替えるのがこちらのスイッチです。

ドリルドライバー 使い方

右手でドライバーを持った時に人差し指側から押すと正回転。

ドリルドライバー 使い方

親指側から押すと逆回転になります。

またキーレスチャックを手でぎゅっと握りながら正回転させると3つの爪が締まります。
反対に逆回転させると爪が広がります

これを覚えておくと、先端工具の取り付けが素早くできるようになります。いちいち手で回転させなくてもいいんです。

トリガー~無段変速に慣れましょう~

ドリルドライバー 使い方

先端工具が取り付けられたら、トリガーを引いて回します。このトリガーの引き加減で回転スピードを調整することができます。

これは絶対に慣れておきましょう。

ポイント

  • トリガーを少し引けば、ゆっくり回ります。
  • トリガーをめいいっぱい引けば、高速回転します。

ネジを締める時は、必ずゆっくり回しはじめましょう。最初からめいいいっぱいトリガーを引いて高速回転させるとネジ頭をなめてしまう可能性が高くなります。

ドライバーの向きに注意する

ネジ締めや穴あけなどを行うときは、必ず先端工具の向きを確認しましょう。

特に、ネジを締める場合、ネジの向いている方向とドライバーの先端工具の向いている方向がずれていると、上手にネジ締めができません。先端工具のの先端とネジの先端の向きが一直線上になるようにすることが重要です。

慎重にいく場合は、必ず片手でやらず、ドライバーをもっていない手で、本体を支えましょう。これをするだけで、ドライバーのブレが大幅に減少します。

また、ネジ締めでも穴あけでも、工具の先端方向に力が加わっていることが大事です。特にネジ締めの場合は、ドライバービットの先端がねじの+の溝にしっかりはまっていることが重要のため、つねにその方向に押し付けている必要があります。場合によっては体全体で体重をかけてネジ締めをしたり穴あけをしたりします。




使いこなすための3つの機能

さて、ドリルドライバーを使いこなすには、搭載されている機能をしっかり理解する必要があります。

ネジ締めと穴あけではモードを切り替えましょう

まずはモードです。

機種によっては、搭載されているモードの数は違うと思いますが、通常はドライバーモード、ドリルモードが一般的です。また、振動ドライバードリルというものにはハンマーモードが搭載されています。下の写真では、左からハンマーモード、真ん中ドライバーモード、右がドリルモードになります。

ドリルドライバー トルク調整 インパクトドライバー 違い 使い方

ポイント

  • ドライバーモード:その名の通り、ドライバーで、ネジ締めを行うときにつかう。トルク調整可能
  • ドリルモード:穴あけの時に使う。トルク調整はできず、最大トルクで回転
  • ハンマーモード:打ち付け方向に打撃を与えながら回転する。(インパクトドライバーの打撃とは仕組みが違う)

正しいトルク設定でこんなに結果が変わる!

さて、ドリルドライバーの最大の特徴であるトルク調整です。クラッチ機構のトルク調整ができるのです。クラッチ機構とは、回転力を伝える仕組みです。また、ある一定の条件でその回転力を遮断することもできます。トルクというのは、回転力を意味する言葉です。

つまり、回転力を設定したら、それ以上の回転をしないようにできるというわけです。ネジを締めすぎて、木に埋もれてしまった、ネジ頭を切ってしまったというようなことを防ぐことができ、正しく設定すれば、毎回きれいなネジ締めが可能になるわけです。

ドリルドライバー トルク調整 インパクトドライバー 違い 使い方

写真のようにドライバーモードに合わせたうえで、その上の数字がトルクになります。通常1・2・4・6・8・・・などと数字が並んでいて、数字が大きくなればトルクは強くなります。通常2の倍数で表示されていますが、その中間部分でも合わせることができます。(そこまで細かく使い分ける必要はないと思いますが)

では、どう違うのか、試してみました。

まず、スギの板に28mmのコースレッド(木ネジ)をねじ込んでみます。

ドリルドライバー トルク調整 インパクトドライバー 違い 使い方

左からトルクが弱い順に並べてみました。12以上では強すぎて、木材の中にぐいぐいもぐりこんでしまいました。

ドリルドライバー トルク調整 インパクトドライバー 違い 使い方

横から見てみます。1,2,4,6では、ネジの頭が木材まで達していません。8はきれいに木材の表面と同じぐらいのところでとまりました。それ以上になるとめり込んでいきます。

つまり、スギに32ミリの木ネジを使うときは、トルクを8に設定するときれいにねじを締めれることが分かります。

次に、固い広葉樹のナラで試してみました。

ドリルドライバー トルク調整 インパクトドライバー 違い 使い方

1,2,4,6では全く力が弱すぎて、入っていきません。それでも2よりは4、4よりは6のほうがより入っているのがわかると思います。また、8,10でも頭が入らないといったところです。

ドリルドライバー トルク調整 インパクトドライバー 違い 使い方

12、14でもまだ頭が入らない。一番強い16でなんとか表面まで達しました。

では、トルク調整なしのドリルモードでやるとどうなるでしょう、ってことでやってみましたら、

ドリルドライバー トルク調整 インパクトドライバー 違い 使い方

なんと、しっかり木材に少し食い込む程度までネジ締めができました、といいたいですが、

ドリルドライバー トルク調整 インパクトドライバー 違い 使い方

結局力が強すぎてネジ頭が切れてしまったのです。

つまり、今回のケースでは、16に設定しておくといいということが分かります。

ちなみに、この実験では、下穴なしでねじを打ち込んでいるので、このような結果になっていますが、しっかり下穴をあけてネジ締めをすれば、違う結果になります。(あくまでもトルク調整で違いが出る、というところを見せるためのものです)




時にはスピードの切り替えも重要です。

機種によっては、スピードの選択ができるものがあります。マキタでは「1」「2」という数字で分けられています。1が低速、2が高速ということですが、通常は「高速」で使っていても特に問題はありません。上で説明したように、トリガーの引き具合で速度は無断で調整できるからです。

では、それなのになぜこのようなスピード調整があるのでしょうか。

実は、トリガーで調整できるスピードは、単なる回転速度の調整ですが、スピード調整での「高速」「低速」の選択はトルクに関わってくるのです。

ポイント

  • 「高速」:トルクは弱くなる。トルクが弱い状態で負荷のかかりやすい長いネジのネジ締めや大きな穴をあける作業をするとモーターに余計な負荷がかかり、故障の原因に
  • 「低速」:トルクが強くなる。長いネジ、大きな穴などの作業に適している

失敗の少ないネジ締めと穴あけを!

これらの機能をちゃんと理解して使い分けることで、失敗が少なくなります。意外とプロの人でも理解していても使い分けていなかったりすることが多いですが、それでも機能を知っていると知っていないでは大きな違いです。

使えば使うほど感覚的に操作できるようになるものなので、どんどん使って慣れていきましょう。

↓ プロが使うドライバードリル

created by Rinker
マキタ(Makita)
¥51,000 (2024/11/06 19:56:06時点 Amazon調べ-詳細)

↓ 軽くて取り回しが良いDIYにもおススメなやつ

DIY 木工 電動工具

2022/5/8

トルク調整でこんなに違う!ドリルドライバーを使いこなすための基本機能と正しい使い方

今日もみなさん、ドリルドライバー握ってますか? さて、ドリルドライバー。 木工や建築系の人たちにはあまりにも当たり前の電動工具なわけですが、いまいちちゃんと機能を理解しているかといわれると、スピード調整やトルク調整やさまざまなモードなど使い分けている人って少ないんじゃないか、と思います。 DIYerのみなさんもドリルドライバーの機能をちゃんと理解して作業すると、作業効率も出来も上がるんじゃないかと思います。 目次1 まずは基本を押さえましょう1.1 ビットの取り付け~キーレスチャック~1.2 正逆回転1. ...

続きを読む

DIY 木工 木工機械 電動工具

2020/10/25

家庭用レーザーカッター Podeaで2.5㎜ラワン合板のカットをしました。

こんにちは。今日もPodeaしてますか? Podea – Simplife+小型レーザー加工機Podeaのネタはこちらで一覧見れます。 さて数か月前にレーザー出力を1.6Wから6Wにアップグレードしたというブログを書きました。 家庭用レーザーカッター Podea を1.6Wから6Wへアップグレードしてもらいました。 6Wとなれば、カットができる!! とはいっても主な用途は彫刻ということは変わらずだったので、なかなか重い腰を上げれなかったのですが、今回あるところでレーザーによるカットをする必要が出たので、2 ...

続きを読む

鉄工用ドリル 木工用ドリル ブラッドポイント 研ぐ

DIY 木工 木工機械 電動工具

2019/1/15

鉄工用ドリルから木工用ドリル(ブラッドポイント)にする方法

こんにちは。 先日Twitterで鉄工用ドリルを木工用ドリル(ブラッドポイント)にする方法を知りたい人はリツイート・いいねしてくださいと投稿してみたところ、反応がありましたので、記事にまとめておこうとおもいます^^ 鉄鋼用ドリルから木工用のブラッドポイントに研ぐ方法知りたい人、どれくらいいますか? 知りたい人、リツイートで拡散してください。 写真の左から右にの形状になります。 pic.twitter.com/SRxCGVhxpW — 和田 賢治 @ TSUBAKI LAB Inc. (@sim ...

続きを読む

マキタ 掃除機 サイクロンアタッチメント オススメ

道具 電動工具

2019/7/18

劇的に吸引力向上!マキタの掃除機を持っているならサイクロンアタッチメントはマストアイテム!

マキタの掃除機ってなんだかすごく人気ですよね。 もともとは職人さんが現場で作業した後に楽に掃除ができるように、っていうことで電動工具のバッテリーを活用したハンディな掃除機だったのですが、通販生活でしたっけ?あそこで紹介されてから爆発的に一般家庭に広まったんですよね。 今では、あのダイソン、そしてパナソニックに並んで比較対象になってくるマキタの掃除機。 僕も2年ほど前から使っています。CL181という18Vのバッテリーを使うやつです。もともと僕の工房には18Vのバッテリーがたくさんあるので。 マキタ(Mak ...

続きを読む

独立・起業 電動工具

2019/1/14

電動工具

独立準備というのは、いつから初めて、いつ終わるというのはないだと思います。昨日まで準備で、今日から仕事ってことはありえないですからね。 さて、独立する時、いろんなモノを揃えないと仕事ができないのですが、その中でも電動工具というのは、頭を悩ますもののひとつです。 ないと仕事になんないので、買うしかないのですが、一つ一つが高いし、インパクト、ドライバードリル、ルーター、トリマー、サンダー、・・・・・といちいちどれにしようか悩みます。僕は基本、たくみ塾で使い慣れたものをというスタンスでいろいろ揃えてますが、それ ...

続きを読む

DIY 木工 電動工具

2019/1/14

新しく電動トリマー Dewalt DW611PKを購入しました。

先日マキタの電動トリマー 3707FCが突如故障し、修理に出しました。結局約8000円の修理費を支払い様々な部品を交換して新品のように戻ってきました。この3707FC、実は2台目なんです。先代は使い始めて2年で完全に故障。そして2年前に購入したのも2年間使って今回故障し、高い修理代がかかっています。2年ごとに不具合を起こさせるタイマーが仕込まれているんじゃないか、とすら思ってしまいます。 僕はトリマーは1台しかもっていないので、今回のようなことがあると大変困ります。何だかんだで多用するトリマーですので、2 ...

続きを読む

知ってるようで知らない インパクトドライバーとドリルドライバーの違いを整理してみた

様々な現場仕事で使われるインパクトドライバーとドリルドライバー。同じドライバーとつくのですが、用途としてはネジ締めや穴あ ...

ビスケットジョイナー ジョイントカッター ビスケット DIY 棚 使い方
仕組み・使い方を徹底解説!DIYで棚を作るならビスケットジョイナー(ジョイントカッター)が本当にオススメ!

DIY熱が高まる世の中。 その中でも棚を作りたい人がとても多いように思います。多くの人が収納に困っているのでしょう。 D ...

おすすめ関連記事

-DIY, 木工, 電動工具
-, ,

Copyright© Simplife+ , 2024 All Rights Reserved.