目次
ついに岐阜にシェア工房の誕生です。DIYの熱波が全国に広がり、そしてデジタルファブリケーションがものづくりの在り様を大きく変えつつある中、その波はついにこの地方都市にも押し寄せました。その名は「Sketch on(スケッチオン)」。
ウェブサイトのコンセプトにこう書いてあります。
どんなメディアやツールを用いたとしてもその第一歩の落書きや覚え書き、下書きなどはすべて「スケッチ」と言い換えることができます。
私たちは人それぞれの目的の現れともいえる「スケッチ」を共有し、次の一歩に繋げるサービスを展開したいと考えています。
なるほど!いろんなひとのスケッチ(アイデア)が交わることで新しい何かが見えてくる。そんなワクワクするようなネーミングです。
ってことで、現在、見学会および無料トライアルワークショップを開催中ということで、見学に行ってきました^^
対応いただいたオーナーの廣瀬周士さんと奥様です。笑顔が素敵なお二人です。
JR岐阜駅から徒歩15分
スケッチオンは、JR岐阜駅から徒歩15分ほどの、高山本線の沿線沿いのビルにあります。名鉄各務原線の田神駅から徒歩5分とのことですが、たぶん交通機関で行く人ならJR岐阜駅から歩くでしょう。
車で行く人は向かいにあるスーパー「SEIYU」が目印になります。駐車場は6~7台ほどのスペースがあります。
僕は今回初めて行きましたが、特に迷うことなくたどり着きました。
金工とデジタルファブリケーション
さて、Fab系の施設にいくと、ついついデジタルファブリケーションの設備ばかりに目が行ってしまいますが、このようなシェア工房ではデジタルファブリケーションと何を組み合わせるかでその面白みが変わってきます。そして、こちらのSketch onでは、なんと「金属」!
オーナーの廣瀬周士さんは、東京藝術大学美術学部工芸科出身で金属をつかった作品作りを専門としてこれまでお仕事をされてきました。さらには岐阜県大垣市にある情報科学芸術大学院大学 (IAMAS)でも学ばれ、そこでデジタルなものづくりと出会います。金属加工(鋳造、鍛造、彫金、溶接)を熟知し、デジタルのものづくりの良し悪しを理解し、さらにこれまでのお仕事の経験を生かしたさまざまな分野とのコラボレーションも強みとして、スケッチオンをものづくりのハブ的な場所にしていきたい、とおっしゃっていました。
鋳造に発泡スチロールがびっくり面白い!
いろんな金属加工の話をする中で、びっくりしたのが、鋳造技術の一つに発泡スチロールを使ったやり方があるってこと。えっ!?ってなりますよね。どうやら発泡スチロールを作りたい形にかたどって、それを砂に埋め、そこに溶かした金属を流し込むことで発泡スチロール自体は溶けて気化し、発泡スチロールがあった空間は金属に置き換わるというもの。
これは、その方法でつくったアルミのブロックです。
いや~びっくりですね。
素材が違うとほんとびっくりすることがいっぱいです。
また、紙や木目などのテクスチャーも金属で表現できるということで、アルミのトレーを見せていただきました。
くちゃくちゃにした紙の感じがそのまま金属です。
さて、デジタルのものづくりですが、そのような型も数値制御でかたどることができます。きれいに、しかも何度も同じ精度でつくれるわけですよね。ひとつひとつ手作業で型をつくるのとは大違い。たしかにそれはすごいインパクトですね。
でも、上の写真のように手加工から出来上がる雰囲気も捨てがたいものがあります。
このように、素材の扱い方を熟知して、作り方・表現の仕方がわかっているから他分野の人、一般の人に対して適したアドバイスができるんだと思います。
機械のオペレーターではなく、素材の専門家がいること、これすごく大事ですね。
デジタルファブリケーションで様々な素材で試す
デジタルだからと言ってもデジタルファブリケーションはそう簡単なものではありません。機械ごとに、素材ごとに加工の癖があるんで、数字上ではあっていても、実際加工すると設計通りじゃないということはざらです。
廣瀬さんもいろいろ試しているようです。
こうやっていろんな素材でどんなことができるのか見れると、ものづくりの実感がわいてきますね。
レーザーカッターはTrotecのSpeedy100 30Wです。
3DプリンターはFlashforge です。
ほかにもカッティングプロッターとかあるみたいです。
金属加工ができるスペース
ここが金属加工の作業場です。
ここでさまざまな金属加工ができるとのこと。金工用のバンドソーや切断機からこまごまとした工具がたくさん。
あっ、ソーホースが金属!さすが金属の専門家!
溶接は体験とかでよくあるアーク溶接ではなく、アルゴン溶接。
大きな鉄板から打ち抜くような加工は板金屋さんにお願いするそうですが、角材などを切ったり、溶接したりはこの工房でできるとのこと。こういう棚の脚とか簡単にできてしまうのがすごい!
やばい、これは木工機械のいろんなアップグレードがここで実現できてしまうかも。。。^^
まとめ
デジタルファブリケーションのシェア工房としては岐阜で初となる「Sketch on」。
オーナーの廣瀬さんの専門である金属というのがとてもユニークで、さまざまなアイデアや素材をかけあわせることで、おもしろいものづくりの場になるんじゃないかとおもいます。
正式オープンは3月20日。楽しみですね!
Sketch on(スケッチオン)
〒500-8157 岐阜県岐阜市五坪1丁目18-28 1F
10:00~19:00(火曜定休)
https://www.sketch-on.net/
Facebookページで最新情報がアップされています。