DIY熱が高まる世の中。
その中でも棚を作りたい人がとても多いように思います。多くの人が収納に困っているのでしょう。
DIYで棚を作るとき、絶対におススメなのがビスケットジョイナー(ジョイントカッター)です。本当におススメです。木工のプロでも多用するこのビスケットジョイナーがあれば、木工素人でも、DIY好きの人でも見違えるほどいい棚を作ることができます。
最近、タレントのヒロミさんが番組のリフォーム企画でビスケットジョイナーを使っているそうで、その認知度も上がってきているんじゃないでしょうか。
今回はそのビスケットジョイナーでどんなことができるのか、そしてどうやって使うのかを書きたいと思います。
目次
ビスケットジョイナー(ジョイントカッター)とは?
呼び名は「ビスケットジョイナー」だったり「ジョイントカッター」だったり「プレートジョイナー」だったり。国やメーカーで違いがあります。
僕は、Porter-Cable(ポーターケーブル)というアメリカの電動工具ブランドのビスケットジョイナーを2台持っています。Porter-Cableを選んだのはFFサイズというとても小さなビスケットを利用できるからです。ちいさな棚や額縁を作るときに便利なのです。
日本のメーカーではマキタが「ジョイントカッター」として販売しています。マキタはバッテリー駆動のものも出していますが、集塵機で連動させて使う場合はコード式のほうがいいでしょう。バッテリー駆動のものを選択して集塵機を連動させる場合は、Bluetoothでの連動ユニットが必要です。
他には、Dewaltというアメリカのメーカーのものもあります。
だいたいどのメーカーも3万円ほど。日本のメーカーでアフターフォローもしっかりしている安心が欲しい方はマキタ。極小ビスケットのFFサイズも使いたいということであればPorter-Cableってとこでしょうか。Dewaltを選ぶ理由は特にないかなぁ。黄色が好きってことであればどうぞ(笑)当たり前ですが、Porter-Cable、Dewaltですと説明書も英語になります。
溝に圧縮木材のビスケットを差し込んで強力に接合!仕組みはどれも一緒
メーカーの違いはあれど基本的な仕組みは全く一緒。
中に仕込まれた丸鋸刃を突き出して、溝をつきます。
こんな溝が加工できます。溝は円弧状です。
そこに接着剤を塗布して、ビスケットと呼ばれる圧縮木材プレートを差し込み、さらに相方を組合せ、接着します。これで強固な木組みを実現できるのです。
互いに基準となる面が一緒であれば、溝の位置は同じなので、合わせた時に段差が出ることはありません。完全にフラット!
強力に接合できる仕組みは木の膨張
なぜ強力に接合できるのか?
それは圧縮木材でつくられたビスケットとよばれる木片に秘密があります。
圧縮ブナのビスケットの厚みは3.85mm
水分を含んで膨張したビスケットは、4.2mm
ビスケットジョイナーであけられる溝の幅は4mm
つまり、溝に接着剤を塗ってビスケットを入れるときは、スッと入ります。溝に入ったビスケットは接着剤に含まれる水分を吸って膨張します。溝の幅よりも膨らもうとするため、がっちり密着します。そこに接着剤の元々の接着力が加わり、強力に接合できるわけです。
作るものの大きさに合わせてビスケットのサイズを選べる
ビスケットは#0、#10、#20という規格サイズがあります。大きな家具などを作る際は#20を使い、小物や強度が必要ないところは小さなビスケットを使います。
そして、先ほど書いたようにPorter-CableはFFサイズというさらに小さなビスケットも使うことができます。しかし、そのためには専用のブレードの購入も必要です。
ちなみにビスケットは、多く使う人はこの1000枚セットがおススメです。
ビスケットジョイナーでこんなものが作れます!
さて、これまで僕はビスケットジョイナーを活用してどんなものを作ることができるのか、いろいろ試してきました。
大容量の本棚だってビスケットジョイナーならさくっと作れます。
僕がツバキラボで開催している絵本棚づくりワークショップもビスケットジョイナーが大活躍(詳細はリンク先でみてください)
額縁のコーナーにもビスケットを仕込んでいます。
45度(留め)でカットした板を組み合わせるのもビスケット。
無垢の山桜で制作した食器棚カウンターも実はビスケットジョイナーで制作できるように設計してあります。
さらには、複数枚の板を巾方向につなぎ合わせ幅広の板をつくる「矧ぎ(はぎ)」もこれでやります。
アンティーク家具のリペアにも使います。
ご覧いただいたようにちょっとしたものから本格的なものまで、ほぼすべての接合部分をビスケットジョイナーで加工することが可能です。
こんな便利な電動工具、使わなきゃ損でしょ!
ビスケットジョイナーの使い方
ということで、その使い方を説明します。
機械側の設定はたったの3つ
ビスケットジョイナー側の設定はたったの3つで大丈夫。
1.フェンスの角度を設定
まずはフェンスの角度を設定します。
0度~135度までフェンスが動きます。たいていは90度で使うことが多いでしょう。45度(留め)の接合で使う場合は、45度か135度(加工しやすいほうを選ぶ)で加工できます。
2.フェンスの高さを設定
次にフェンスの高さを設定します。部材の表面からどの距離のところに溝を加工するのかを選ぶわけです。通常は板厚に対して真ん中に開けるのですが、真ん中に開けることが絶対ではありません。2枚の板を接合するとき、基準となる面からの距離が同じであれば問題ないわけです。
ちなみに、海外メーカーの商品だと、この高さを示す目盛がインチなので注意が必要です。
3.ビスケットのサイズに合わせて深さを設定する
溝の深さ設定はとても簡単です。使うビスケットのサイズに合わせるだけです。たいていは0~20というビスケットサイズで合わせることができます。
以上!
めちゃ簡単!
材料側に溝をつく位置を墨付け
次に、材料に溝加工する位置を書いておきます。これを墨付けといいますが、溝の中央がどこなのかという記です。
ついになる部材と同じ位置に墨付けをする必要があります。
墨線と本体の溝中心部の記を合わせて、フェンスをしっかり押さえて加工
ここから実際に加工です。
まずは、引いた墨線とビスケットジョイナーの中央のラインを合わせます。Porter-Cableですと赤いラインと墨線を合わせます。
そして、しっかりフェンスを手で押さえます。フェンスがしっかり材料の表面に乗っていないと溝の位置がぶれてしまいます。
そしたら、トリガを引き、ゆっくりハンドルを前方へ押し込みます。
たったこれだけ!
これでこんな溝があっという間にできるわけです!
平面同士だけではなく、45度も楽々!さらに。。。
平面での接着はあたりまえ。
45度も正確に接着。
こうなって、
こんなにぴったり合わせられます。
さらに、
板の途中で正確な溝をつくためには、冶具を用意します。
これを駆使すると、
こんなのを作って、
こんな複雑な組みつけもできますよ。
完成すると、こんなかわいい絵本棚。
まとめ~ビスケットジョイナーはDIYには必須電動工具
いかがでしたか?
ビスケットジョイナーはコスパが非常に高い満足できる電動工具でしょう。
棚だけでなく、さまざまな家具を作ることもできます。
ぜひ、ビスケットジョイナー(ジョイントカッター)で充実したDIYを実現ください^^