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「無職父」。
それは組織に属さない生き方を選択し、「無」から「有」を生み出す努力をするお父さんのことです。
今回、岐阜市という地方都市にて無職父として生きるお二人にお話を伺うため市内某居に集まりました。集まっていただいたのは、Elephant Designという設計事務所を経営する門脇さん、そして昨年長年勤めた会社を退職し、漫画家を名乗り必死でSNSで発信をしている石田意志雄先生です。
今回このお二人に集まっていただいたのは、お二人が小学生のお子さんのお父さんだからです。我が家の長男は4月から小学1年生です。小学生の父親であり組織に属さない生き方を選んだ先輩としてお二人のお話を聞いてきました。
何回かに渡ってこのインタビュー記事を連載したいと思います。
まずその第1弾。
テーマは「組織を辞めるとき」です。
建築家 門脇和正の辞め方
経歴というか、流れからいくと、最初門脇さんが設計事務所勤めてて、辞めて、(個人事務所を)始めました、というのが、もう10年近いですよね。
10年近いっすね。
長いですね。
26で、僕はクビになったんで。
ははは、あの謝らなかったやつ
ん?
社長が歩み寄ってきたけど、いっさい返さなかった
そんなことないっすよ。きれいに切られましたから。もう今日で、、いいからって。
結婚したてで切られたんですよね。
そうそう。
それもそれですごいよね。
すごいよね。切る方も切る方だよね。
でも、向こうは切りたくて切りたくてしょうがなくて、でも、僕がその前に、結婚しますって言っちゃったもんだから。結婚しますって言ってから切るなんておかしいじゃないですか。やっぱり。
うわ、タイミング逃したって思って、ま、結婚後だろう、と。
どっちみち切るけど~(笑)
待ってたんだわ~みたいな(笑)
そっから、属さない生き方が始まったわけですね。
そうですね。始まっちゃいましたね。期せずして、僕の場合は。
ワダケンジが組織を辞めたとき
あれが10年ぐらい前で、そんとき僕はまだ会社に勤めてて、僕が辞める時一回門脇さんとこに来ましたよね、ここに。(壁を指さして)ここに「葉」って書かれてて(壁に当時生まれた子どもの命名書が貼られていた)。
その時子どもが生まれたんかなぁ。
付き合い長いの?
高校時代からの付き合いなんで。
バイト?
バイト
焼肉?
焼肉。
チャーハンが輝いてるっていう?
一同:笑
喜んでるんですよね、一粒一粒が。
そう、一粒一粒がね、こうね、うひゃーーやったーーって(笑)
磨奈美さんだぁ~(笑)
一同:笑
気持ちよさそうに、こうねー、ひゃー、飛び跳ねてる感じがあって。
もともと2個だとだいたい一人でやるんですけど、3個とかだと二人並んでやるんだけど、もう早すぎて動きが。僕もね、(隣で)一生懸命やるんだけど、全然追いつかなくて。もうその手さばきの美しさに、見とれちゃって、こう、はあぁぁ。(溜息)っていうね、、、
過去があって、、、、
・・・・
ま、それがあって、その辞めるか辞めないかってときに、トヨタをね。
一度来ましたね。辞めようと思ってますって。
そうっす。
すっごい眉間にしわ寄せて。
寄せてました?
うん。僕こないだ、自分のブログを、古いところからずーっと整理しなくちゃいけなくって、そのブログが出てきたんですよ。
ほーほー
眉間にしわ寄せる先輩っていう、めっちゃしわ寄ってました。
ちなみに、その時のブログがこれです。
https://simplife-plus.com/blog/先輩
はははっ 何を語ったんだろう
確かそん時言った記憶は、「待ってました」と。
ようこそ?
うん、ようこそ、こっちへ、と。
いや、元々そのバイト時代から、そういう企業に勤めて、属するタイプで、のうのうと生きるタイプじゃないって思ってて。ま、そういう話もずっとしてたしね。
あーあー
で、でもまぁ、留学して、戻ってきて、そん時も話したんだけどね。
で、トヨタに行くっていうから、トヨタかぁ、まぁ、いいとこいくねぇ、と思って。まぁ、いいんじゃない?って感じで。
でもそれってどうかなぁ、ほんとにやりたかった事だったかなぁって。
僕はなんだかこう、残念な。。。
あぁ
なんかあるじゃないですか。あれ、こいつ夢持ってたのに、なんか、結局そっち行っちゃうんだ
トヨタに飲まれたか(笑)
というのがありまして。でも、そこでこう、行くなとも言えず、まぁがんばればーっていったけど、結局辞めることになって。
ま、聞いたときはすごいびっくりして、ねー、膨大な生涯年収を棒に振ってるわけじゃないですか。
何年勤めたの?
3年ですね。丸3年。
あの学生時代から社会人になるまでの時間って、結構濃い話をしてましたよね。なんかあれば一緒に。
うん、してました。よく、飲んでたね。
同い年?
1個上
一個やね。ただ、学年は一つ下で。一回ミャンマーにね、留学してたんで、一つさらに下で、磨奈美と同じ学年になるんだけど。
まぁそういうのがあっての、僕は結局トヨタ辞めたけれども、木工の世界入って。
岐阜戻ってきたけれども、森林文化アカデミーという学校に勤めることになって、まぁ、公務員ですわ。
うーん。
公務員という立場で仕事をしてきました。けど今年辞めます。っていう流れがあります。
そういう、今年度いっぱいかなって思ってるときに、爆弾が落ちてきたわけですよ。
あ、私が?
石田意志雄が。
一同:笑
私が爆弾を落としちゃいましたか
結構な衝撃でした。
石田意志雄の組織を辞めるとき
よう行ったよね。
う~ん、僕も15年働いてましたから。新卒で入った会社をずっと。
うーん。
中堅も中堅で。
中堅ですよ。中堅でね、まぁ、最後おれ、何やってたんだろ(笑)
一同:笑
求人広告。求人の広告代理店として作ってたんだけど、おれは、そこの原稿をつくる。デザインっていったらおかしいですけど、紙面とか、イメージとったりとか、コピー書くっていうのを15年ずっとやってて。まぁ、15年もやってると、マンネリ化でさ、面白くない。
あぁ。
毎週同じお客さんからの発注があって、原稿つくって。
ルーティーンですね。
そうそう、早くできちゃうんだけどさ。でもそのお客さん毎週のようにでかいページを発注してくるわけ。会社としてはすごいおいしいんだけどさ、みんなやりたくねぇって。すごい注文も多いんだよね、なんだかんだで僕んとこに回ってくるの。毎週のように3本ぐらい出すんだよ。
すごいね。
で、担当の人もいいねいいねって(言ってくれて、それで)社長に持ってくと、社長が、嫌~いって(笑)
「嫌い」ですね(笑)
嫌いって。
一同:笑
担当の人が、嫌いって言ってますって。
嫌いってなんや。どしてほしいんやって。
担当者⇒いい。他の部下⇒いい。これいいね~でボス行きます。 社長⇒嫌~いって。
毎週だよ、それ。なんだそれっていう
担当者も学習してほしいよね
一同:笑
おかしくなってくる。何のためにやっとんか。
わかるんだけど、いやわからんか、うーん、もちろんお客さんが納得した原稿をださなあかんのやけど、なんか好き嫌いで判断されるっていうね。
我慢すりゃいいんですけど、なんか、このまま死ぬまでこれだと、
いやーつまらんね。
うん。僕の上に一個同じ先輩がおって。
そうするとずーっとこのまま2番手。
あ~
あ~
実力的にはある。みんなから認められてたんだけど、(先輩が)上にいるんで。
っていう環境で、その空気がダメだな。
俺マンガがあるわって。
そのこと漫画にしたらいいんじゃない。
それもそうだよね。だからそれもいろいろあるし、引き出しは。
だから「イーシー」にこだわらず、もっとちょっと幅広い題材を。
ちゃう、意志雄じゃないと描けんもんでさ。
一同:笑
意志雄ってね、すぐ主人公かけるんっすよ。普通の顔だったらめんどくさいよ、あれ。
そうか、意思雄がそこで働いている体で。
体でやればいいんだけどね。うん。でもあるよ、ネタは。
普遍的テーマですよね。生き方、働き方、仕事観。
結構ネットで話題になってるマンガとかって、実生活に即したものじゃないですか。そういう実体験をね、マンガにすれば。
「左利きのエレン」って聞いたことある?僕も聞いたことはあるけど、読んだことはないんだけど、同じnoteみたいなところで漫画描いて半年ぐらいですごい一流になっちゃった
へ~
へ~
結構面白いんすよ、それ。その人も広告代理店の話を描いてるんすよ。おんなじような広告代理店あるある。
で、ぼくがやっちゃうとかぶっちゃうんで。かぶっちゃうとクオリティ低いし。何してんだ。あいつのパクリだろ。
それじゃ、もうちょい寝かしとかなあかんな。
漫画は、そういうネットの漫画とかよく読むんすよ。最近好きだなっていうのは、前から好きなんだけど「情熱大陸への執拗な情熱」とか
有名な人ですよね。
有名な人。
あれね。あれおもしろいよね。
あれ面白い。
ああいうの面白れーっすよね。
実体験でダメだった。なんか。ダメだけどちょっと頑張る。ダメさをね。
あるでしょ。
ある、使えるのはあるんだけど、もうちょい。ちょっとフリがね、まだあかんね。
あとねー、こんなこと先生に言うのは、あのー、失礼にあたるんですけど、
いや、何でも言って。
一同:笑
やっぱり表現力?
あ、そこねー!
あのー、アングルとか、
アングルね!
あのーなんだろ、ねーあるじゃないですか。一発の絵で、あーこれは!って思わせる、、、「画」!
わかるわかる。画だよね。漫画の一番命みたいなところだよね。そこね。そこ。
すごいですね、漫画家に説教してますよ。
一同:笑
そこね、十分わかってんだけどね、あのいつもnoteで連載しているやつもさ、俺コマだいたい一緒なんだって。
うんうんうんうん。
わかるんだけどめんどくさいんだって。
やっぱ面白いマンガってさ、表現が多彩だし、その時のシーンによって、描き分けてるし。
わかるわかる。
スミマセン、ほんとに。
いや、わかるんですよ。あんね。そうなんです。すごい、時間かかるんすわ。
いやいや、そりゃまぁそうでしょ。
時間かかるとね、やらなくなっちゃう。
そうゆうなんか、しっかり描きこむやつを暖めて、でも、ストーリーやね。ストーリーもすごく大事やよね。話。話の面白さはすごく。。。
いや、私の漫画は「応援型マンガ」なんですよ。こういうの、ほら、作戦通りですよ。
一同:笑
みんなで意見するって
心配されるってこと
応援したくなるって
なんだかんだ言って、見守っちゃう。
なるほどね。そのポジションか。
新しいでしょ。
新しい。
新しい。
そういうことやっていかないかん。
あれ?話がそれてる。
組織を辞める話をしていたのに、いつのまにか、石田意志雄先生の漫画のダメ出しがはじまり、最後は、石田意志雄先生の漫画は「応援型マンガ」ってことが判明したわけです。
というわけで、石田意思雄の組織を辞めるとき2
だいぶ、話それましたけど、ぐっと戻すと、どこでしたっけ?
どこまで戻しますか?
僕が爆弾落としたんですよ。
安定してましたね
奥さんは一つのブランドを育てようとしている時に、こっちも辞めるわけですよね。
そうですよね。
そこで漫画家っていっちゃうわけですよね。
そうそうそう。
すごいよね。
すごいよね。
よく受け入れたよね。
会社で出会ったんですけど、大変な会社ってのも知ってるし。大変ならやめりゃーいいやって。tRonchiをふたりでやってきたいって気持ちがあって。まぁ、辞めりゃーやれるし。マンガもやっぱ生きがいなんで、じゃあやろうって。
そやね。もともとだからtRonchiの、りえちゃん(tRonchiオーナー)ができない部分をお父さんやってたわけだから。
そう、デザインとかホームページとかをね。
ウェブショップやらね。
あれをちまちまひとりでやってたら大変ですからね。負担が半分になれば。
そやね。
かといって、そこまで儲かってるわけやないんで。だから、どうやってお前ら生活してるんだって、言われますよ。いまんとこまだ笑っとれますけど、もう、なんか、頑張らなきゃ。
まだ失業保険もらってる?
いや、もらってない
いってないの?もらってないの??なんで?もらえるんでしょ?
うんとね、もらえるよ。4か月分ぐらいもらえる。自己都合で。すぐもらえんよね。
まだその期間じゃないの?
うん、もう過ぎてるよ。8月から、ちゃんとやってれば、11月ぐらいからもらえる。
で、もらってないの?
もらってない。
なんで?
漫画家でさ、がんばろうかなぁって。
えー?それはもらった方がいいと思うよ!
いや、そういうのはいかんなって。いかんっていうかさ、なんだろ、あまえちゃいかんなって。
いいって。
それはもうネタのためにハローワーク行ってみて。それでいいんじゃないですかね。
だからねハローワークは行っちゃいかん場所みたいに。そういう
なんか30分ぐらい検索しないとさダメでしょ。1週間に1回とか。
そう、それがめんどくさいと思って、マジで。
やっといたほうがいいよ。
それがネタになるんだったらいいんじゃないですか?
漫画は架空の話でいいけどさ。
ふ~ん、そうなんだ。
そうなんですよ。
いまはもらってるからいいけど、っとかいう感じかと思ったけど。
うん、でもね、誰にも話してないんだけどね。退職金をちょっとだけもらえた。それで助かっとる。ぶっちゃけ。
ふんふん、まぁそうやね。
そんだけのはなしですよ。まぁあとは。。。
といってもね、すぐなくなっちゃうからね。
退職金だってなくなっちゃいますよ。
デザインの仕事は?
デザインの仕事はほんのぽつぽつですよ。月に1件とか。全然お金にはならんけど。
そこもちょっとちゃんとしたいよね。
戦略的なものはあるんですか?
戦略。。。
はははは、なさそ~
戦略あるけど、ちょっと言えんなぁ
一同:笑
あんの??
秘密の策が
うそ~、なさそうなんやけど。
あるある。
あるんや~
まとめ
というわけで、3人の組織を辞める話でした。
なんというか、どう、まとめるんでしょうね。このインタビュー。
むずかしいっす。
次回は、「属さない生き方と子どもに見せる父親像」です。
このインタビュー、漫画で読めます!
今回、門脇氏よりきついダメ出しを食らった石田意思雄先生が、一念発起して普段の倍の力を込めてまとめ上げた「意志雄がゆく 番外編」では、今回のインタビューが漫画として読めます。
ぜひいつもの意志雄先生の漫画と今回の漫画を読み比べて見てください!
https://note.mu/ishidaishio
第1弾:「組織を辞めるとき」
https://simplife-plus.com/thoughts/musyoku1/第2弾:「属さない生き方と子どもに見せる父親像」
https://simplife-plus.com/thoughts/musyoku2/第3弾:「無職父の個人のメディア論」
https://simplife-plus.com/thoughts/musyoku3/【番外編】:で、無職父ってなんだ?
https://simplife-plus.com/thoughts/musyoku4/石田意志雄先生が描くインタビュー漫画「意志雄がゆく 番外編」
https://note.com/ishidaishio/n/n19aa90b1eb32