先日の台湾視察。そのレポートを「ライフスタイル」「木とDIY」という2つのテーマで書きましたが、最後に、まちづくりの視点から現地で感じたそもそもの台湾の魅力を考えてみたいと思います。
ちなみに、これ↓がこれまでのレポート 目次 先日、ある商業施設のプロジェクトの一環で台湾へ視察に行ってきました。初めての台湾だったため非常に楽しみしていたものの、事 ...
台湾視察レポート 1:「ライフスタイルを売るとはどういうことか」を考える。カフェの掛け算と台湾人が望むゆとり。
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台湾視察レポート 2:台湾ではこんなところにもDIYスペースがある!
台湾へ消費トレンド調査として視察に行ったわけですが、やはり木工を生業としている者として、また一般の方々にものづくりの場を ...
古さと新しさから生み出される魅力
台湾のまちに訪れてまず感じたのが、古いものと新しいものが混ざり合っている姿でした。町なかには数十年前に建てられた建物が薄汚れた状態で並び、そこにさまざまな新しい看板が付け替えられます。
道をゆく車や人に加え、原付バイクの多さも、アジアらしい熱気を感じることができます。
古い建物と新しい建物のコントラストも美しい。
日本の街並みでも、古くからある商店街にいくと古いビルと新しいビルのコントラストを見ることができます。そういう街をあるくとなぜかワクワクします。台北ではそれが町全体で感じることができます。
歴史的建造物の活用:クリエイティブ基地という試み
そしてなんといっても、
歴史のある建造物も台北を散歩しているとあちこちに見ることができるのも魅力ですが、ほかのレポートでも登場するたばこ工場跡地を利活用してクリエイティブなエリアとなっている松山文創園区、日本統治時代の酒造工場跡地を利活用してこちらもクリエイティブなエリアになっている華山1914文創園区などにみられる、台湾の歴史を包括しながら新しい価値を付加していくリノベーションのやり方は、とても魅力的です。
この歴史的建造物を保護、保存するのではなく、積極的に活用していく。しかもそれを文化の発信拠点とするやり方はなかなか日本では例がありません。それを行政が主導でクリエイティブ産業発展のための「クリエイティブ基地」として進めている点は大いに学ぶべきところです。
きれいに作り上げたピカピカにきらびやかに光る真新しいショッピングモールもいいですが、歴史が積み重ねてきた意味のある空気をまとう建物は人々の心を奪います。意識せずとも、そこに何かの「意味」を感じ、また探ろうとしてしまいます。
ビッグサイトのような近代的な建物の中の展示会に慣れていると、この木造の倉庫の中で行われる展示会がとても新鮮に感じました。
こちらは華山1914文創園区の展示会場。ツタに覆われた酒造工場の建物をそのまま活用しています。
松山文創園区、華山1914文創園区、どちらも今ではクリエイティブな場所として多くの人が集まる場所になっていますが、その歴史を見てみると必ずしもすんなりと今のような形になったわけではないことがわかります。行政的な管轄の壁、新しいものに対する反発、実運営の難しさなどあらゆる困難がある中で今のような形になってきたようです。
台湾国内では、ほかの地域でもこのクリエイティブ基地の構想で、歴史的建造物を活用するプロジェクトがあるようです。
それぞれのエリア内を一つ一つ丁寧に見る時間があれば、もっとさまざまな発見ができたと思いますが今回は短時間での滞在だったので、また機会があればじっくり時間をかけてみたいと思います。
まとめ
今回は、ある商業施設のプロジェクトに一環で台湾に視察に行きました。僕自身初めての台湾ということで、事前知識なく訪れたわけですが、さまざまな文化やトレンドに触れ、大きな刺激をうけました。
これから今回の視察がどのように活かされていくのか、活かしていくのか、自分自身楽しみであります。
それでは^^