ビジネス

PayPay(ペイペイ)というキャッシュレス社会に向けて強力なプレイヤーが登場したので使ってみた&導入してみた

2018年11月26日

PAY PAY QRコード キャッシュレス決済 利用 導入

最近、オリンピックに向けた景気拡大や来年の消費税増税に絡み、いろいろ議論されているキャッシュレス決済

政府は先日キャッシュレス決済の場合はポイントによる5%還元の方針を打ち出しました。政府のキャッシュレス化に向けた気合の入れようは伝わってきますが、もう消費税の軽減税率や今回の還元率などで仕組みを作る側はぐっちゃぐちゃですね(笑)

さて、キャッシュレス決済。僕は無類のキャッシュレス派で、財布には現金は2,3千円ぐらいしかいれていません。基本買い物はクレジットカード、Edy、SUICAのうちのどれかです。現金払いのみであれば、買い物をあきらめることもしょっちゅうです。

今から17年前、アメリカに留学した時、クレジットカードを持つようになり、そして現地でデビットカードの便利さを知りました。そして日本では同じころSUICAが始まり一気に普及。さらにEdyなどの電子マネーも利便性を武器に広がっていきます。ガラケーでもおサイフケータイでバンバン使っていたことを思うと、当時、日本はキャッシュレス決済の先進国。今思えば、アメリカの大学で日本のSUICAについてまとめたレポートを提出したこともありました。

しかし、今では、日本は世界で広まるキャッシュレスの波に遅れているといわれています。中国でQRコード決済が爆発的に普及している様子がテレビなどでもたびたび取り上げられ、結構衝撃を受けた人は多いのでは。

ここにきてようやくキャッシュレス決済を社会全体で推進しようという空気が生まれたわけですが、そんな中、PayPayhttps://paypay.ne.jp/)というスマホ決済(QRコード決済やバーコード決済)の会社をソフトバンク株式会社とヤフー株式会社が共同で立ち上げサービスを開始しました。その気合の入れっぷりがすごいので、実際にお客さんと使ってみて、そして自分のお店(ツバキラボ)にも導入してみました。

そもそもキャッシュレス決済とは

そもそもキャッシュレス決済といっても、いろいろあるわけです。現金を使わないお支払いはキャッシュレス。決済方法としては以下のようなものがあるわけですが、

  • クレジットカード
  • デビットカード
  • 電子マネー(SUICA、楽天Edyなど)
  • QRコードやバーコード(ORIGAMI PAY、PAYPAYなど)

決済サービスの裏で銀行口座とつながっていたり、クレジットカードを登録していたりするので、正確にお金の動きで分類するのはここでは割愛。(クレジットカードのように信用で後払いにするタイプ、デビットカードで口座直結でリアルタイムに引き落としされるタイプ、事前にチャージした金額内で支払うタイプなどあります。)




日本と各国のキャッシュレス比率と日本でキャッシュレス決済が広まらないたった一つの理由

日本のキャッシュレス比率は2016年のデータで20%となっています。2008年から約2倍になっています。(引用先:経済産業省 キャッシュレスの現状と推進http://www.soumu.go.jp/main_content/000506129.pdf)そのほとんどがクレジットカードとSUICA,Edyなどの電子マネーですが、アマゾンや楽天などのネットショッピングの普及や携帯電話などの様々なサービスでクレジットカード支払いが一般化してきたことが原因のようです。

一方、中国のキャッシュレス比率は60%、アメリカは46%、フランスは40%、韓国は驚異の96%(ホンマか?)(引用先:経済産業省 キャッシュレス化推進に向けた国内外の現状認識:http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/shoryu/credit_carddata/pdf/009_03_00.pdf

日本はなぜキャッシュレス決済が広まってこなかったか、一言でいえば、「困ってないから」に尽きます

日本「円」の現金に対する信用、信頼は高く、銀行の十分すぎるサービスと町中いたるところにあるATMのおかげですぐ引き出せます。現金を持つこと、扱うことで困ることがないわけです。
また現金の扱いに慣れすぎてその手間を当たり前だと思い込んでいるということも言えます。例えば、レジ締めってすごく大変なのに、その作業も当たり前のことだと思っているわけです。

また別の観点から理由を挙げると、決済手数料や機械端末導入コストが小さなお店にはなかなか厳しいので普及が進まないから、結局現金が一番ということも言えるわけです。

その背後にはすごい無駄が

しかし実際には現金の取り扱いにはとてつもないコスト(お金、時間)がかかっているわけです。

(引用先:経済産業省 キャッシュレス化推進に向けた国内外の現状認識:http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/shoryu/credit_carddata/pdf/009_03_00.pdf

PayPayのすごさ

PAY PAY QRコード キャッシュレス決済 利用 導入

今回、ソフトバンク株式会社とヤフー株式会社が共同でPayPayというスマホ決済(QRコードやバーコード)のサービス会社を立ち上げました。ネーミングもロゴもどことなく中国っぽい感じですが、何がすごいかというと、期限つきながら、お店側にとって決済手数料や銀行入金手数料がかからない、という点です(決済手数料は3年間無料、銀行入金手数料は2019年9月30日まで無料(ジャパネット銀行は永年無料))。

クレジットカードをはじめ、様々なキャッシュレス決済サービスは手数料を取ることでビジネスを成り立たせています。しかしPayPayはその手数料を放棄したわけです。では何で利益を上げようかとしているかというと、消費データの運用です。

政府がカード会社などに手数料を下げろと発言したりして話題になっていますが、これは「いつまで手数料ビジネスをしているんだ、いい加減、データを活用したビジネスをしろよ」と言っているわけです。手数料でビジネスが成り立っている以上、それ以上の革新的なサービスが生まれにくくなります。消費データを活用することでよりイノベーティブなサービスを生み出して経済の活性化を図っていきたいというのが狙いのようです。

つまり、様々なキャッシュレス決済があるわけですが、ほぼすべてが決済手数料ビジネスの中で、PayPayがたとえ期間付きであろうと手数料「0(ゼロ)」を打ち出したのはまさに次の時代に向けた取り組みなわけです。




PayPayのQRコード決済を使ってみた

早速PayPayのQRコード決済を使ってみました。

スマホにPayPayアプリをインストールして、新規登録(現在キャンペーンで新規登録すると500円もらえる)をします。クレジットカードを登録して、銀行口座も登録してみました。銀行口座の登録はYahoo!ウォレットとの連携ということでちょっとややこしかったですが、リアルタイムでチャージできるようになりました。

で、友人のお店で早速使ってみました。

PAY PAY QRコード キャッシュレス決済 利用 導入

お店においてあるQRコードを読み込み、店員さんに言われた金額を入力し、店員さんに確認してもらってから、支払いボタンを押すだけです。

支払いはサッと終わり、瞬時にお店側のメールアドレスに支払い情報がメールされていました。

やっぱりキャッシュレス決済はお客さん、お店側双方が楽です。

QRコード決済の欠点

でもいいことばかりではありません。

お客さんの立場でみると、実はやることが多いんです。

1.アプリを立ち上げる
2.QRコードを読みこむ
3.店員さんにお支払い金額を教えてもらう
4.金額を打ち込む
5.打ち込んだ金額があっているか確認してもらう
6.支払いボタンを押す

クレジットカードであれば、カードを渡す、暗証番号を打ち込む(またはサインする)だけだし、電子マネーであれば、スマホを端末にかざすだけだったわけです。お客さん側がやることはとっても少ない。それを思うと、カードや電子マネーに慣れている僕からすると、QRコード決済は面倒だなぁと感じました。




PayPayをお店に導入してみた

とはいえ、お店側からしたら導入費用が圧倒的に少なく、決済手数料も入金手数料もかからないPayPayは魅力的です。

PayPayを導入した友人から営業の方を紹介してもらい、来ていただきました。(うちは車がないと来れない場所ですが、最初、営業マンが駅から自転車で汗だくになってやってきたのにはびっくりしましたw 営業車が自由に使えないそうで。。。)

一通り説明を聞いて、早速申し込みをしました。申し込みはすべて営業マンが持っているタブレット端末上で行いました。銀行口座の登録も法人番号の確認もその場でできます。面倒な紙面のやり取りがありません。スピーディですばらしい。

混みあっているから審査と導入キットの送付に1か月ぐらいかかると言われていましたが、2週間ほどで届きました。ちなみに、決済サービスであるため、審査は一定の基準でしっかり行われているようで、業種によっては通らないこともあるそうです。

PAY PAY QRコード キャッシュレス決済 利用 導入

中には、導入キットとして専用のQRコードが印刷されたシールや「PayPay使えます」のシールなどが入っていました。

PAY PAY QRコード キャッシュレス決済 利用 導入

ということで、お店にもPayPayが導入されました。

お店側の管理画面(ダッシュボード)も常にリアルタイム更新がされており、決済内容がすぐに確認できたり、返金操作などもすぐできます。
ちなみに、この画面からは取引内容は記録として確認できますが、何が誰に売れたのかはわかりません。そこは、連携するPOSシステム(うちの場合AIRレジ)が担うので、あくまでもPayPayダッシュボードは決済に関しての情報の確認、返金処理、入金情報の確認のみになります。

Airレジ PayPay 支払い方法 登録
Airレジ (エアレジ)にPayPay (ペイペイ)を支払い方法として登録する方法

世の中ものすごい勢いでキャッシュレスに向けて動いているわけで、昨年11月にPaypayを導入した際に書いた記事もよく読ま ...

キャッシュレス決済は広まるか

キャッシュレス決済は、現金に比べれば非常に楽です。それはお客さん側にもお店側にも言えます。

今回PayPayが決済手数料0を打ち出したことで、これまで導入を控えていた小さなお店にも広まる可能性が出てきました。またQRコード決済であれば、QRコードが印刷されたもの(シールなど)を掲示しておき、お客さんのスマホで読み取ってもらうだけなので、端末などの導入は不要になります。これはお店側からしたら非常にハードルが低く導入しやすいわけです。

どこでも使えるという状況になれば、利用者は増えると思います。大手チェーンのお店ではそもそも様々な決済方法が可能なので、コンビニで使えるようになってもそんなにインパクトはありません。それよりも地方の小さなお店やクラフトフェアやマルシェなどの野外イベント、スポーツ少年団などの月謝の支払いなどで使えるようになれば便利です。(野外イベントではSquareを使ったカード決済がじわじわ広がっていますが、あれはあれで結構手間ですからね。スポーツ少年団とかいまだに月謝袋。。。。)

ただ、やはりそもそも「困っていない」という多くの日本の人たちに利用してもらうことのハードルは高いでしょう。

そのために、PayPay側も強力なキャンペーンを実施するようです。(https://paypay.ne.jp/promo/announcement/20181122/

ということで、今はいろんな決済方法が乱立していますが、キャッシュレス決済がもっと普及して便利な世の中になればいいな、という思いで、PayPayを導入してみました、というお話でした。

おすすめ関連記事

-ビジネス
-,

Copyright© Simplife+ , 2024 All Rights Reserved.