先月の台湾視察の際にふらっと立ち寄ったカフェに置いてあった本が、とてもよかったので紹介します。
BRANDLifeというシリーズなんですが、ブランドの価値がグラフィックデザインと空間に溶け込んでいるものを世界中からピックアップしているデザイン集です。逆に言うと、グラフィックデザインや空間設計がブランド価値を向上させるためにうまく機能している事例集。
シリーズとして、「カフェ&コーヒーハウス」「ブティックホテル&ホステル」「コンセプトストア&ポップアップ」があるみたいです。
たちよった台湾のカフェでは「カフェ&コーヒーハウス」を読むことができました。ただ中国語版だったので実際文章の意味はわからなかったのですが(爆)、日本アマゾンでは英語版が購入できます。ただ、あるのは「ブティックホテル&ホステル」「コンセプトストア&ポップアップ」だけで「カフェ&コーヒーハウス」はなかったので、僕はアメリカアマゾンから購入しました。(ちなみに、日本語訳版はないみたい)
空間と人を見ることができるデザイン集
よくあるデザイン集は、モノだけ、デザインだけのものが多いです。
ものが売れないといわれる今の時代、正直デザインだけ見ていても物足りないものがあります。
そのへん、この本のいいところはサブタイトルでも表している通り、さまざまなデザインや空間がブランド価値としてうまく機能している事例を集めているところです。
そして写真もきれい。眺めているだけで満足です。
人が入っている写真も多く、どんな雰囲気なのかも伝わってくるんですね。やっぱり写真であっても、人がいる空間はぜんぜん伝わってくる空気が違いますね。
世界中から集められた事例
このシリーズのいいところは、エリアの偏りがないということです。(もちろんアフリカや南米、中東などない地域もあります)
「カフェ&コーヒーハウス」「ブティックホテル&ホステル」の2冊を僕は購入したわけですが、どちらもヨーロッパ、東南アジア、日本、北米、オセアニアなどさまざまなエリアから優れたデザインを集めています。このシリーズの出版元は香港の会社なんですが、それがかえっていいのかもしれません。逆にこれがアメリカから出ている本であれば、こんな感じの本になっていないでしょう。
グローバルな視点で見ても「良い」と「共感」できるものが詰まっていて、とても参考になります。
価値を生み出すヒント
そして、その「共感」を生むデザインのヒントもこの本には書かれています。
全ての事例ではないですが、いくつかの事例において、そこをつくったディレクター、デザインしたデザイナーなどのインタビューなども掲載されています。どのようなところにこだわったのか、どのようなところに気を付けたのか、ブランド価値を高めるために計算されたグラフィックデザインと空間の設計図がそのインタビューのなかから浮き出てくるように思えます。
とはいえ、英語が読めなくても、持っておいて損はないシリーズだと思います。
ということで、おすすめな本でした。