木工

誰もが諦めた?!反り上がってしまったテーブルを修理しました。

2017年4月26日

テーブル 家具 修理 反り アンティーク

古いもの、愛情が注がれているものってどうしてこうも力強いものなんでしょう。(あ、ちなみに、この写真は修理後です。)

今回も家具修理のお話です

かわいい丸いテーブルがやってきました。

テーブル 家具 修理 反り アンティーク

さて、家具の修理ですが、先日持ち込まれた古い丸テーブル。脚の形状が特徴的なかわいらしいテーブルです。依頼主は、もうすぐカフェをオープンする予定の女性です。「お店で使いたいんだけれど、テーブルが反り上がっていて使えない。いろんな人に修理できないか聞いてきたけど、みんなに断られた。」とのこと。

確かに、この反りではコップも斜めになるし、お盆をおいてもカタカタしちゃうでしょう。

これと同じ形のテーブルがある雑誌に載っていて、それを以前見ていたその方は、お店でこのテーブルを見た時運命を感じて即買いしたそうですが、よくよく見てみると天板が反っている、接合部が外れているなど不具合がたくさん見つかって、修理も断られ続けてきたからお店で使うのは諦めようか、と悩んでいたところでした。

テーブルの反りがすごい

テーブル 家具 修理 反り アンティーク

写真は工房の雑然とした感じが映りこんでしまっているので、背景を消してみました。斜め上から撮っているので分かりにくいかもしれませんが、これすごい反ってたんです。こんなに反り上がるの??ってくらい。

テーブル 家具 修理 反り アンティーク

で、裏を見てみると、反り止めもしてないし、そもそも伸縮に対応したつくりじゃない。そのため、ホゾは外れるし、天板は脚部から浮き上がってます。この形を実現するために、そういったことを諦めたんだろうなぁという感じです。

テーブル 家具 修理 反り アンティーク

手加工の痕跡に萌える

テーブル 家具 修理 反り アンティーク

この天板を外してみました。釘で打ち付けてあるだけだったので簡単に外れました。で、その接合部など見ると、なんと手加工。ほぞもほぞ穴も一つ一つサイズが違います。

ちなみに、木材もミズナラのいい素材を使っています。だいぶ古いテーブルなんでしょう。誰がどういう形でこのテーブルをオーダーしたかはわかりませんが、こだわりのテーブルだったんでしょうね。

さ、反りを修復していきます。

まず上に反り上がってしまっているので、それを下に戻さないといけません。いろいろ方法はあるかと思いますが、何本か溝をついて応力を抜いて戻りやすくしつつ、反り止めを入れ平らに矯正する。さらに、矧ぎ(板と板を合わせて幅広の板にすること)がそもそも角度的におかしいところはいったん割って、再度接着しなおします。という合わせ技で行きます。

ってことで、作業開始。

テーブル 家具 修理 反り アンティーク

溝をついて、さらに反り止めをはめ込むための溝を削っていきます。

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矧ぎ角度がおかしいところはいったん割って、矧ぎ面をきれいに削り直し、ビスケット(雇い実)を入れて再接着。

テーブル 家具 修理 反り アンティーク

反り止めをはめ込んで、平らに矯正。ハズレかけていた接合部もしっかり修復。

古い家具の修理は、いかに見た目を変えず不具合を取り除くか。そのため、テーブルの表面を加工することはできません。なので逆に裏面は手術痕がたくさんです。また真っ平にすることもあえてせず、使用できるところまで戻ればそれ以上やる必要はないわけです。

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ってことで、尋常じゃなく反り上がっていたテーブルは、普通に使えるテーブルに戻りました。依頼主もほんと、諦めていたものがよみがえって、とても喜んでくださいました。

すごくこだわったインテリアと手作りのパン・ケーキのカフェ

美濃加茂 カフェ みつばちや アンティーク 家具 修理

さて、今回の依頼主、岐阜県美濃加茂市でカフェをオープンさせます。

「みつばちや」

自宅を改装したカフェはこだわりの空間。もともと家そのものからすごいこだわって建てていて、以前から古い家具、本物の素材でできた家具が好きだったようです。

5月18日にオープンだそうですが、近くなったら改めて紹介させていただこうかと思います。

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