三重県は特異な人が多いのでしょうか?(笑)
いや、時代を先取りする人と表現しましょう。
大台町にこれまた変わった製材屋があるとのことでお伺いしてきました。
その名も「武田製材」
いや、名前は普通ですね。でも、知る人ぞ知る銘木屋さんだそうです。
あ、間違えました。銘木じゃないです。迷木ですw。迷木屋さん。
武田さんはFacebookで精力的にさまざまな情報をあげています。こんな木を挽いた、こんな木に出会ったなど、それはそれはすごいいろんな樹種の情報があげられています。
ということで、いったいどんなところなのか、見学させてもらいました。
目次
一見大丈夫??と思ってしまう異様な空気
まず到着して思うのが、「普通の製材所じゃない!」ってことです。
よく見る製材所は製材された板が整然と並べられ、そして外からでもみえるところに大型の製材用バンドソーがあります。
しかし、武田製材は、いたるところに何の木かよくわかんない丸太、丸太、丸太。
あ、代表の武田誠さんです。
名刺交換させていただきました。裏にこんなこと書いてありました。
「三重県で一番フザケタ製材所!」 ⇒ インパクト大!
「マニアック材の取扱」 ⇒ そんなジャンルあるんですか?
「ゴミ屋敷の様な工場です」 ⇒ あ、そこは丁寧に「です」つけるんですねw
「宝物を見つけにきて下さい」 ⇒ なんかとっても愛情を感じます
トンガリすぎです!
とにかく普通目にしない木材が所狭しと
まぁ見てください。
写真ではタグが見えないけれども、樹種名、製材した日、産地がしっかり書かれています。珍しい樹種もたくさん。
倉庫内も所狭しと。
製材の仕事で何に魅力を感じるか、という質問に「挽いたときにあらわれる樹種の色」に魅せられるそうです。その中ではチャンチンの真っ赤な色は感動したそうです。
そしてもう二度と製材したくないといっていたのが、国内で一番堅くて重い木「イスノキ」だそうです。
リンゴ、カキ、ナシ。果樹も製材しています。
これは「カイズカイブキ」という木だそうです。庭木?! 板材になったの初めて見ました。 しかししかし、妖艶な感じが魅力的です。
ハゼの黄色さにも驚きました。ウルシ科の木は黄色とは知ってましたし、ウルシの木は見たことありましたが、ハゼもなかなかやりますね。
そして、これ、挽いたばかりということで製材機そばに置いてあったのがヒイラギ!こんなものまで製材するんですか!
あぁあぁ、驚きすぎて。。。。言葉が出てこないです。
お一人でお仕事されている武田さん。これは自分自身への戒めなんでしょうか。
道具もすごかった
台車移動式チェーンソー。
エンジン式だと寒い時に起動するのが大変。電気だったら大丈夫ってことで3馬力のモーター直結のチェーンソー。面白すぎる!
通常の製材機は2m以上の丸太しか製材することができません。しかし、近所の機械屋さんに特注で木材を固定する爪を追加でつけてもらうことで数10センチの長さのものでも挽けるようにしてしまったとのこと。いろんな木材を挽きたいという情熱がすごすぎます。
ちなみに100年ほど前の武田製材の写真も見せていただきました。
豊富な水資源を動力源として水力製材をされていた時の貴重な写真です。
通常の製材の仕事と並行して
こんな迷木ばかりで、大丈夫なのかといらぬ心配をしてしまいますが、一般的な製材の仕事をこなしながら、このような面白い木を集めているとのことです。
バンドソーの目立て機もありました。
常に利用用途を模索し続けています。
武田さんはこれらの珍しい木、変わった色の木などの用途を常に考え続けています。ちょっとした木でも看板になったり、花台になったりしますし、黄色や赤の色は染色に使えます。染色家に頼んで作ってもらったサンプルも展示してありました。
やっぱりハゼノキの黄色はインパクトありますね。
木が好きすぎて歌までつくってCD化しちゃってます
えーっと、もうどう紹介すればいいかわかんなくなってきました。
歌つくってます!
「杉ロック」
CDの写真がないですが、Youtubeに上げられてました。
ちょっとボーカルの音声が聞き取りにくいのが残念ですが、いい感じです。映像の中に出てくる言葉がグッときます。
時代の先取りなのか、それともただの迷走なのか
とにかく武田製材の武田さんの木に対する愛情がほんとうに素晴らしい。感動しました!
大阪の木工教室ウッドロードの下村さんに似たような、変態チックな愛情ですね(笑)
素直に、こういう製材屋がうちのちかくにあったらどんなに楽しかったろうか、どんなに仕事がおもしろくなるだろうか、そんなことを考えてしまいました。
僕は地域の木を地域で使うことが当たり前になってほしいという思いで木工の仕事をしています。そのためには地域の木を持ってきて、製材できる体制をつくっていかないといけないわけです。
武田さんが近くにいたら。。。。ではなく、武田さんのように熱い想いを行動に移していかないとだめだなぁと感じました。
それをいかにビジネスとして成り立たせるか。そこが大事だ。。。
貴重なお時間、ありがとうございました!
有限会社 武田製材
住所:三重県多気郡大台町江馬158
電話番号:0598-76-0023
FAX:0598-76-0818