木工

木工という仕事について最近よく考えます。

2015年12月6日

Kliklamp

ふぅ、気づけばもう12月。なんかバタバタする中もう師走です。今年後半は右足首靱帯を痛めて不便な生活を送り、やっとギブスが外れたと思った矢先に左手を刃物でズバッと切ってしまい3針縫うけがをして、何やってんだと反省する10月11月。

それでも、知人に依頼されたダイニングテーブルの納品は11月末だったので、休みの日は夜遅くまで工房で作業していたわけです。無事テーブルの納品は終わったし、とりあえず今はけがもなく12月に入ったので、あとは何事もなく年末へ向かっていきたいと思います。

さて、先ほど触れたダイニングテーブルを制作しているとき、ずっと木工の仕事について考えていました。

木工は今の時代のど真ん中の仕事

人にとってとても身近で、親しみのある木という素材を使って暮らしの道具を作る仕事が木工です。家具などの大きなものからカトラリーなどの小さな小物まで、木を使ってありとあらゆるものを作ります。素材が木であることは、自然のものを扱うことになり、環境への意識も無視できません。いろんな意味で今の時代のど真ん中の仕事であると思います。

コモディティ化とデジタル産業化という2つの流れ

でも一方では、家具は単なる消費財としての側面もあり、さまざまなものが市場にあふれています。どこかの国で安い素材を使い安い労働力を用いて大量に生産されるものもあれば、国内で職人の手でつくられる家具もあります。安いものから高いものまで。そして、最近は職人といいつつも、ほとんどがデジタルの世界で大きな産業用機械(NC)でつくられていることが多いです。仕事柄さまざまな現場に行きますが、木工という仕事は人の手からどんどん離れていっています。それでも消費者には「職人」「技術」という言葉が届けられているのです。

そんな中で今作っているこのテーブルはどうあるべきなんだろう、と悶々と鉋で削り続けていました。NCで削ればこんな作業すぐ終わるんだろうなぁ、とか。でもこのテーブルでどんな会話が生まれるのかな、どんな食事の風景があるのかな、そんなことを思いながら手を動かすこともなんか特別なような気もします。

人の幸せを生み出すまでのデザイン

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と、こんなことを何度も過去に考えてきたわけですが、結局「人」なんだろうなぁっていつもそこにたどり着きます。ものを買うという行為はその行為にとどまらず、そこで生まれる人と人のコミュニケーションや関わる人の思いをいろんな方向でかけ合わせていける。それは大きな会社がやろうとしても限度はあって、より組織が小さくなればなるほど実現できる領域です。そこの価値をどうやって引き出すか、どうやって伝えるか、そのあたりが大事です。

そこから発展させていくと、そういった目に見えない価値も大事ですが、同時に「モノ」をつくるだけではなく、それが「人」へ届けられるまでのプロセスも美しくデザインしていくこともこれからより求められていきます。木工という木から暮らしの道具を生み出す仕事は、やはり人と寄り添い、人の幸せを生み出していく仕事であるべきだと。

なんだか難しい話になっちゃいましたね。

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