こんにちは。今日もPodeaしてますか?
Podeaを購入して1年数か月たちました。これまで、主に木材へのレーザー彫刻しかやってきませんでした。だって、木工が仕事ですから。でも、そろそろほかの素材もチャレンジしたいなぁ、ということでPodeaオフィシャルサイトを見ていたら、ゴム印の制作事例がありましたので、これにチャレンジしてみることにしました。
ただ、問題が一つ。
オフィシャルサイトに掲載されている制作事例はレーザー出力が6Wの最新のPodea Type-Gを使用しています。僕が持っているものは初号機の1.6WのType-Eです。圧倒的にパワーが違うんですね。なので、今回1.6Wのモデルでもできるのかどうか検証してみました。
目次
1.6Wモデルでもできるのか
結論から言うと、できました。
ただし、今回制作するうえで、様々なパラメーターを試し、比較しましたので、そのあたりも記事の最後のほうに載せておきます。
オフィシャルサイトの制作事例では、6Wモデルを使用しているのですが、そのパラメーターは公開されていません。「ゆっくり加工」というヒントはありました。1.6Wで制作する場合のパラメーターがわかれば、4Wモデルでも6Wモデルでもおおよそいいところを算出しやすくなりますよね。
シリコンゴムシートはPodeaオフィシャルショップから購入
レーザーでゴム印を制作する場合、シリコンゴムでないといけません。
100均などでよく消しゴムはんこ用のシートが売られていますが、素材は塩ビです。塩ビをレーザーで焼くと有害なガスが発生しますので、決して塩ビを使わないようにしましょう。
そして、レーザー用のゴムシートをネットで探しまくりましたが、最終的に、Podeaさんが販売しているPodeaと相性の良いゴムシートが一番安いということがわかりました。
Podeaオフィシャルショップ https://www.podea.net/shop
注文から3日ほどで、クリアファイルに納められ、さらにプチプチ封筒に入った状態で届きました。
いい感じのシリコンゴムですね。
彫刻の深さが1mmになる最適なパラメーターを探す
今回ゴム印にするのはこれです。このSimplife+の「S」「+」で「S+」です。
加工サイズは10mm x 10mmでデータを作ります。
これは、10mm x 10mmを一つの基準として、時間を計測すれば、ほかのサイズの加工時間もおおまかに把握しやすくなると思ったからです。例えば10mm x 20mmのデータでは、今回の時間の2倍かかるよってのがすぐわかる、というわけです。
目指す深さは1mmです。
深さ目標は1mmとしました。これは、僕が所有する一般的なゴム印の深さが大体1mm~1.2mmぐらいだったからです。
パワー100%で、スピードと回数で最適なパラメーターを探す。
まずは、パワーをマックスの100%にして、スピードと加工回数でどのように深さが変わるかを検証しました。
なるべく早くできないかと思い、マックススピードで何度も加工するというところから試しました。
しかし、まったくダメでした。
マックスパワーのマックススピードで5回繰り返したところで、やっと0.3mmです。わずかに跡が残る程度。。。
ちなみに、これ写真がボケているわけではなくて、最近このように2重で加工されるようになってしまったんですよね。またPodeaさんに問い合わせてみようと思います。
スピードを落として加工してみる
さすがにマックススピードでは意味がないので、だんだんとスピードを落として加工してみました。
まずは半分のスピードにして、複数回やってみました。
結果に時間と深さをいれました。
(ちなみに、最初は20cm/sだったのを10cm/sに変えたので、半分のスピードなんですが、実際時間は2倍かかったわけではなく、3分30秒が4分16秒になっただけ。なぜ??)
さて、結果はご覧の通りなんですが、パワー100%、スピード10で5回繰り返して、0.7mm。7回繰り返して、0.8mmでした。5回と7回の間で0.1mmしか彫れていないのは、深くなることでレーザーの焦点がぼけていくからだと思います。
0.8mmまで行くことができましたが、時間が29分31秒と約30分もかかってしまいました。
さらにスピードを落として加工してみる
結局さらにスピードを落としてやってみました。5cm/sを1回やったら0.3mm彫れました。
さらに、スピードを遅くしてみます。
おっ、いい感じになってきました。
黒い灰をエアーで吹き飛ばしてみると、おおぉ、ゴム印っぽくなってきましたよ。
結果はご覧の通りで、なんだかんだ、一番遅い1cm/sで1回で0.8mm彫れたわけです。しかも時間17分11秒。
その後、何とか1mmを彫りたいと思い、一度一番遅いスピードで加工した後に、灰を払いのけて、もう一度今度は5cm/sでやってみました。5cm/sは1回で0.3mmいけるはずなので、合計すると1.1mmになるはずです。
2度目にやる際は、レーザーの焦点がなるべく合うように紙を8枚下に敷いて、その上にゴムシートを置いて加工しました。つまり、0.8mm彫ったあとは、その分レーザーの焦点が合わないので、0.1mm厚の紙を8枚下に敷くことで、彫り込んだところでも再び焦点が合うようにしたわけです。(原点出し冶具があるからこそできるやり方です)
でも、結果はほぼ変わらず。。。。涙
1mm目標でしたが、1cm/s 1回の0.8mmがいい感じだったので、今回はこれでOKということにしました。
よし、いざ本番!ゴム印制作です。
上のテストではわかりやすいように「S+」をそのままでやりましたが、ゴム印にする場合は、ちゃんと逆転させておかないといけません。
まずはレーザー加工
うん、いい感じ。
灰をエアーで飛ばして、よしよし。
カッターで切り抜いて、はんこの柄に取り付けます。
これをカッターで、、、
切り抜きました。
一発では切れないので、何度も丁寧に切り込みを入れていかなければいけません。
用意しておいた10mm角の木片の端に、両面テープを張り付けて、
ぺたっ
できました。
押してみたら、ちゃんとはんこです。
押してみたら、きれいにインクが乗りました。
ちゃんと使えるやつです。
まとめ
Podea Type-E 1.6Wモデルでも、ゴム印を作ることは可能だということがわかりました。
加工する際は、パワーを一番強く、スピードを一番遅くする必要があります。
しかし、10mm x 10mm の大きさをゴム印として加工するのに、17分かかります。
30mm x 30mmを加工するには9倍になるわけですから、153分。。。つまり2時間33分です。
よっぽど時間に余裕がないとできない。
やはり、レーザー出力が強い方が現実的ですね。
パーソナルレーザー加工機 Podeaにて、MDFへの彫刻加工テストをしました。
パーソナルレーザー加工機Podeaの原点出し冶具を作りました。
パーソナルレーザー加工機PodeaでMDFに写真をレーザー印刷してみました。
パーソナルレーザー加工機Podeaでいろいろつまづいて、Podeaさんにどっぷりサポートしてもらいました
超小型パーソナルレーザー加工機 Podeaでゴム印を作ってみました。
超小型パーソナルレーザー加工機 Podeaでオリジナルペンに名入れをしてみました。