目次
- 1 旭川から2時間の北海道で一番ちいさな村に全国から若者がやってくる
- 2 3年間みっちりものづくりに没頭できる環境とカリキュラム
- 3 国内ものづくり留学
- 3.0.0.1 5日間、北海道旅行に行ってきました。車でぐるりと周遊のロングドライブな旅程まとめ
- 3.0.0.2 北海道おといねっぷ美術工芸高等学校は木工に夢中になれる国内唯一の高校!
- 3.0.0.3 NC技術と職人技を駆使!東京2020オリンピック・パラリンピックのメダルケースも制作!躍進する山上木工を見学してきました!
- 3.0.0.4 アイヌの彫刻家 砂澤ビッキの記念館「ビッキ アトリエ3モア」に行ってきました
- 3.0.0.5 竹中大工道具館主催の「木組 分解してみました」を札幌で見てきました!
- 3.0.0.6 秋岡芳夫の魂が生きる置戸町 どま工房で企画展「ドマしよう。-あそんでならってあじわって」を見てきました
北海道旅行の一つの目的が北海道おといねっぷ美術工芸高等学校を訪ねることでした。実は1月に岐阜県立森林文化アカデミーで開催された鍛冶フェスに参加していました。鍛冶フェス自体は2泊3日の泊りがけだったのですが、アカデミーのコテージで宿泊した際部屋で一緒になったのが「北海道おといねっぷ美術工芸高等学校」で指導員をされている方でした。彼は同世代で、シェア工房にも興味があるということで、鍛冶フェスが終わった後、僕が運営するツバキラボにも来ていただき、こんな工房を広めたいね、と話し合った仲でした。
その時はまだコロナの影響もなく、もともと秋に北海道に行こうと漠然と思っていたので、次は北海道で会いましょう!とお別れしたのです。
実際、コロナで旅行を延期しようかと思ったときもありましたが、GoToトラベルも始まり、世間的に旅行が許される雰囲気になったので、やっぱり行こう!と決行を決め、そして念願の音威子府にも行く運びとなりました。
旭川から2時間の北海道で一番ちいさな村に全国から若者がやってくる
さて、前置きが長くなりました。音威子府とかいて「おといねっぷ」と読める人はもともと縁がある人だけだと思いますが、旭川から車で2時間ほど北に行ったところにある、北海道で一番小さな村です。一番小さいという情報は高校のパンフレットに書かれていたのですが、人口700人ということですので、一番かどうかはわかりませんが本当に小さな村ですね。
この村にあるのが、「おといねっぷ美術工芸高等学校」。この高校は全国的に珍しい、というか、唯一だと思うのですが、3年間木工に没頭できる高校なのです。
その存在自体は僕も聞いたことがありましたが、先述の鍛冶フェスでそこの先生と知り合ったことで一気にリアルなものだと認識したわけです。
高校ですので生徒はもちろん主に15歳~18歳の若者です。そして出身は北海道以外にも全国からやってきます。鹿児島からも岐阜からも。この北海道の小さな村に、ここで青春の3年間を過ごすために、親元離れてはるばるやってくるのです。美術や工芸の世界に進みたいという思いの人もいれば、親元離れた環境で過ごしてこい!と親に送りだされた人、自ら親から離れる決断をした人など様々なようです。全寮制です。
これはほんとにすごいこと。
彼ら彼女らが”普通”の人とちがった価値観を持つのは自然でしょう。
3年間みっちりものづくりに没頭できる環境とカリキュラム
おといねっぷ美術工芸高等学校はその名の通り、美術と工芸を学ぶ学校です。もちろん高校ですので普通科目も一定の割合ありますが、かなりの時間をクリエイティブな創作活動にあてています。
高校で鉋や鑿の刃を研いで、手加工で椅子を作ったりするところなんてないでしょう。
その環境はまさに恵まれた工房です。
実習室の中には、
ひとり一台作業台を使え、
研ぎ場もあり、
その奥には機械室があり、
生徒たちはもちろんそれらを使えます。
材料も使えます。
美術系も充実しており、
デッサン室があったり、
絵画を描く部屋もあります。
2年生のときに、木工に進む「工芸コース」か絵を描く「美術コース」かに分かれるようですが、その創作活動は基本生徒のクリエイティビティを尊重して行われているようです。
木製の自転車を作っている女子生徒がいたり、椅子づくりにこだわる男子生徒がいたり、はたまた道具に魅せられて鍛冶屋を目指す生徒がいたり。
高校の入り口には、昨年卒業した生徒の卒業制作の作品がずらっと並べてありました。
卒業後の進路は様々
こんな特殊な高校で3年間過ごしたのち、どんな進路を選択するのか。
以外にも木工一直線の生徒は多くないそうで、大学や専門学校などデザイン系やインテリア系中心に進学する生徒が多いようです。もちろん、今回であった生徒の中には、ここを出たら木工の職業訓練校の上松技術専門校にいくという子も。いや~さまざまですね。
国内ものづくり留学
これはまさに国内のものづくり留学。親元離れることも、木工に没頭することも、そういうことがしたい子にはいい環境かもしれませんね。
うちの子どもはどうかなぁ(笑)
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