去年の夏、東北に旅行に行きました。手仕事の宝庫の東北です。その時買ってきたものの中に、岩手県二戸郡一戸町の鳥越地区で作られている竹の籠があります。すず竹という細い竹で作られる鳥越竹細工。細く柔らかい竹だからか、とてもしなりがよく丈夫なかごです。ぽちゃっとした形がかわいいですね。
これを買ったのはつくられている産地ではなくて、秋田県由利本荘の大場商店というかご専門店です。ほんと古くから営まれてらっしゃるお店で、主人のおばあちゃんは「すず竹のかごはほんとええよ、丈夫いもん。一生使えるよ」とおっしゃってました。おばあちゃんはもう何十年も鳥越竹細工を扱ってきたそうです。でも最近は少しずつ数が少なくなってきているとのこと。
どこの産地でも今問題なのが後継者育成。もちろんこの鳥越竹細工もそう。「鳥越竹細工」産地を守る会というところがありますが、HPにも職人の高齢化や後継者問題について悲痛な叫びが書かれています。
みなさん、ぜひかご使いましょう!
ちょっとしたおもちゃ入れに
でもこういったかごを使うといったときに考えてしまうのが、え、何につかえばいいの?ってことですよね。
我が家は、おもちゃ入れになりました。ちょっと部屋がごちゃごちゃっとなった時にこのかごに入れたり、朔汰が遊びに使ったりしています。
朔汰をとっても気に入ってくれたかご商店のおばあちゃんも喜んでくれるでしょう^^
民芸ってよくわかんないけど
民芸ってよくわかんないですね。
仕事柄、柳宗悦だとか浜田庄司だとか河井寛次郎だとかいろいろみる機会はありますし、それぞれ記念館や民芸館に行くこともありますし、彼らが芸術ではなく、庶民が長年作り続けてきた生活のための道具に美しさを見出して民芸運動として盛り上げていった歴史も知ってます。でも過去のものとして歴史となってしまったってことは、見る対象、知る対象となってしまっていて、どうも自分の暮らしにどう入れるのかわからなくなってしまっていく、そんなとこありません?
最近はD&DepartmentやCLASKAやgrafとか、他にも様々なショップで民芸とは言わないけど、でもそれって結局民芸だよねっていうものが多いですよね。産地があって、材料にこだわりがあって、丁寧につくられたもの、そういったものに焦点をあてて紹介する雑誌もとても多いです。今の時代の、民芸運動じゃないかっていう声もあります。民芸とはいわずに、生活工芸って言って新しい動きをしているところもありますしね。先日、NHKのあさいちが民芸の特集やってたのも、こういったところが流行になってきている証拠ですね。
まぁ、民芸って言われると民芸品店と称した胡散臭い土産物屋のイメージが強いんだけど、最近は新しさもあるし、僕自身とりあえずいいなぁってものがあったら買うようにしてきたわけです。で、自分の暮らしの中でつかってます。それがいいものを残すためにできる最初の一歩だと思ってます。