こんにちは!ワダケンジ(@simplife_plus)です。
今日はバンドソー(帯鋸)にこびりつくヤニの話です。
僕が使用しているバンドソーは簡単な製材もできるようにリョービの5馬力のものです。
治具を使って、このバンドソーで丸太から板状に製材することもあるのですが、ヒノキなどヤニを多く含むものを挽くと、刃にヤニがこびりつきます。ある限度を超えると、極端に切れなくなったり、直進性が失われたりして、仕事にならなくなります。
先日、会員の方(僕は会員制のシェア工房を運営しています)がヒノキを挽いた後、なかなかのこびりつきようで、まったく切れなくなっていたので、なにかいい方法はないかと考えていた時に、「そうだ、製材のプロに聞けばいい」と思い付き、Twitterで投げかけてみました。
製材業の方、木工で製材もされてる方、教えてください!
帯鋸の刃に付着するこういったヤニを簡単に落とす方法ないでしょうか?
またはヤニをつかなくする方法はないですか?
会員の方がヒノキを製材するといつもヤニがビッシリついて、困っております。 pic.twitter.com/TZ0QSowDcp
— 和田 賢治 @ 地域の木材活用の仕組みづくり (@simplife_plus) February 4, 2020
そしたら製材業を営むプロの方からたくさんの返信をいただきました。
そこで教えていただいたことを、ここにまとめたいと思います。
目次
ヤニの付着防止は”灯油”を使う
まず、基本的に、そして全国的に「灯油」が使われていることがわかりました。
灯油がいちばんいいよ。
— しばっちょ (@shibattcho) February 4, 2020
大野は灯油使ってますね
松ヤニとの戦いなので(´・ω・`)— しるねこ(汁猫) (@sirucat) February 4, 2020
製材所です。
常に使ってるのは灯油ですかねぇ…。ただ、ここまでヤニがつくのってうちはあまりないです。どれぐらいの時間使ってたらこれぐらいこびりつきますか?もしかしたら刃先のアサリがちょっと小さいのかもですね。
— kotekuman (@komok2009) February 4, 2020
などなど、
たくさんのリプライをいただいたのですが、ほとんどが灯油を使っているということでした。返答いただいたすべての方の場所がわかっているわけではないですが、北から南、西から東、だいたい灯油。もはや「灯油最強説」。身近でどこでも手に入りやすい、扱いやすいという理由からでしょうか。
中には、
僕は灯油とチェンソーオイルを混ぜたものを塗ります。灯油1Lに対して、オイルか500ccくらいかな。
— 杉野賢治 sumiyakibito 奥矢作炭やき人・北三河木こり人・木挽き人・敷島自治区定住委員 (@sumiyakibito) February 4, 2020
ホワイトガソリン(白ガス)か灯油使ってました
昔ちょっと製材所にいました。— 鉄が好き (@Kecoline) February 4, 2020
など、チェーンソーオイルを混ぜたり、灯油ではなくホワイトガソリンであったり、ほかにも蝋をぬるなど。
どうやって塗るの?
では、その灯油をどうやって塗るの?ということですが、ほんとにみなさま親切で、塗り方まで教えていただきました。
基本、ぼろ布を棒の先端に巻き付けて、そこに灯油を浸して、回っている帯鋸に当てるというやり方でした。
木取り業です。
リップソーは特に何もしないですが、写真のような帯鋸(卓上バンドソー)には灯油をまめにつけてました。
棒にボロ布を巻きつけて灯油の樽にドブン。ビタビタの状態で、動いている帯鋸に当てます。
音がとたんにおとなしくなるのも快感ですよ笑— 木材の事を話そう@鶴見木取店 (@tsurumikdr) February 4, 2020
へい。
・冬越して残った灯油とかを使う。(わざわざ買わなくて良い)・タオルか何か灯油を染み込ませるものを木の棒に巻き付ける
・使用後、スイッチを切り回転が止まるあいだに灯油を染み込ませた木の棒でバンドソー刃物の先に当たらないよう鋼部にあてヤニを拭き取る(多少危ないです)
— しばっちょ (@shibattcho) February 4, 2020
鶴見木取店さん、解説写真まで用意していただきました!
800×37×37の角材にタオルや着古しのTシャツを巻いたのを使ってます。(写真はイメージ)それを灯油の缶みたいなのに付けて、鋸の歯がついてない方向から円のあたりに押し当てる感覚です。なんだかんだ鋸歯にも当たりますが不思議と特に危険は無いですよ。プロ製材所はもっと大胆に当ててますよ(^^) pic.twitter.com/HKbM8uGP3w
— 木材の事を話そう@鶴見木取店 (@tsurumikdr) February 5, 2020
なかには、布ではなく、ブラシや刷毛を使っているというケースも。
灯油をホムセンで売ってるブラシ(竹の柄の歯ブラシのオバケみたいなやつ)で塗布してます。刃が回転したままでも塗布できるので便利ですよ!
— ヤマグチユウコウ (@gucciyukoh) February 4, 2020
ハケに灯油をつけて塗るといいですよ。
— 名もない大工さん (@namonai_ninth) February 4, 2020
使っていないブラシでやってみた
ぼろ布を巻き付けた棒をあてるというやり方は、おいおい試すとして、使っていない大きなブラシがあったのですぐに試せる「ブラシ+灯油」を試してみました。
僕はいつも手押しかんな盤や自動かんな盤の刃物交換時に、新しい刃物に灯油をつけてセットしています。ここであたりまえに灯油を使っているのに、なぜバンドソーにそれを同じように使うという発想がいままでなかったのか不思議です。。。
で、小さなペットボトルにいつも灯油を入れているのですが、ふたの部分に小さな穴を開けているので、逆さにしてペットボトルを押すと必要量灯油を出せるというやつを持っているんで、それでブラシにブシューっと吹きかけて使うことにしました。
いざ回っている帯鋸にブラシをあててみましたが、特に危ないということはなかったです。鋸の背の部分から刃の方へブラシを移動させて、刃先にシャーっとあてる感じ。
ただ、ブラシでやっていると灯油がびしゃーっと飛び散り、”塗布”という感じではなかったので、次は布を使ったやり方を試してみたいと思います。
こびりついたヤニにはヤニクリーナー!
さて、もともとのツイートには「ヤニ付着防止策」と「こびりついたヤニをどう取り除くか」という2つの質問を一つにしていました。
そして「こびりついたヤニをどう取り除くか」という問いにもたくさんご意見をいただきましたが、
園芸用のヤニ取りスプレーがオススメです。
— 外構屋の一人親方 (@_4U_) February 4, 2020
バンドソーのヤニですよね。私も昔困ってたんですが、ホームセンターの園芸コーナーとかに草刈機とか用のヤニ取りスプレーが売ってました。泡のやつがいいですよ。刃を外してスプレーしてしばらくして拭き取ったらあっという間に取れます。 pic.twitter.com/ky6ZeEMPVB
— 吉水快聞 5/13~日本橋高島屋グループ展 (@KaimonY) February 4, 2020
製材所はだいたいしょっちゅう灯油を付けてますよね。既にこびりついてしまったものに対してはホームセンターでも売ってるパーツクリーナーが最強ではないでしょうか。
— 向井 恭介 (@hatsurist) February 4, 2020
やにとりスプレーやパーツクリーナーという意見があり、早速ホームセンターの園芸コーナーを見に行きました。
ありました。
泡タイプがいいですよ、というアドバイスもあったので、ヤニクリーン180というSilkyの商品を買いました。
Amazonでみたら、180mlとほぼ同じ値段で300mlが売っていたw 次からAmazonですね。。。
溶け出すヤニが快感
さぁ、早速吹き付けてみました。
ジュワっと泡がヤニに付着し、
茶色くヤニが溶けだす。
すごっ。
溶け出すヤニが快感は最初だけだった
吹き付けておけば取れるわけではなく、ここまでこびりついているとこすったりふきとったりしてきれいにしていく必要があります。そうすると、バンドソーに鋸を付けたままできるわけでもなく、取り外しました。
床に置くと泡が必要のないほうへ垂れてしまうので、
掛けれるようにして、ひとつひとつ掃除していきました。
きれいになるのはうれしいけど、かなり地味な作業で、2時間スプレーかけてはヤニを浮かし、一つ一つ布でこすり取る。地道にやるしかない。。。
おかげさまで、きれいになりました。
まとめ:こまめに灯油を塗布、やにとりはやにとりスプレー
ということで、わかったことは、
バンドソーのヤニ対策
- 全国的に、ヤニ防止は灯油が使われている
- こまめに灯油を塗布する(布、刷毛、ブラシなどで)
- こびりついたヤニにはヤニとりスプレーが有効
ヤニとりスプレーは帯鋸以外でも、丸鋸などにも使えますね。
みなさん、ありがとうございました~