僕は、16のとき(今からちょうど10年前)、一人でミャンマーに乗り込んで、
約1年間ホームステイや一人暮らしをしながら過ごしていた。
もちろん当時のミャンマーも軍事政権で、民主化なんて夢のまた夢。
メジャーな道路の交差点には、銃を持った治安部隊の兵士が見張っている。
たまに、軍を乗せたトラックが道を行きかっていた。
僕が日本へ出す手紙も開けられチェックされていただろうし、
僕が日本から受け取った手紙は明らかに開封され
中身をチェックされていたものもあった。
自由にモノが言えない国。
政治、経済は混迷し、国際社会からも孤立していた国。ミャンマー。
そんな国で暮らしてきた。
ミャンマーの人々は、ほんと優しい。
熱心な仏教の国だからこそ、そのやさしさがあるのかもしれない。
とにかく、人々は温和で、政治がどうであれ、ミャンマーの人々は一生懸命生きていた。
一見ものすごく幸せそうにも見えるくらい。
でも、僕には見えないところで、
自由が奪われていて、その奪われた自由を求めて、
戦い続けてきたミャンマーの人々。
ずっと耐えてきたミャンマーの人々。
数週間前、新聞でミャンマーでのデモを知った。
当初は燃料値上げに対する僧侶たちのデモ。
毎朝、会社へ向かうバスの中、
国際面のミャンマーの記事を食い入るように読んでました。
日に日に大きくなるデモ。
一般市民が参加し、次第と民主化運動へ発展していったデモ。
在日ミャンマー大使館の前でミャンマーでの自由を泣きながら訴える女性も。
本来ならあるべき彼らの声がやっと今、届きだした。
残念な結果として、デモはほぼ武力によって鎮圧され、
(特に僧侶にたいして弾圧を行ったことはミャンマーの考えからいくと、本当にありえないことです。)
ふたたび自由を求める声は鎮められようとしている。
ただ、これから国際社会がこのミャンマーという国に対しどう接していくのか、
日本の人々が、どれほどミャンマーに注目し、声を上げていくのか、
彼らがやっと国際社会になげかけることができたSOSを、
私たちがその思いをつなげていく番です。
経済的な利害関係だけで国際社会はなりたってほしくないです。