家具職人になる 日記

木工業界の就職活動

2010年8月17日

木工業界の就職活動

最近、就職活動という名目で工房を休む塾生が多いです。
今通っている森林たくみ塾は2年制のため、
昨年4月に入ってきた生徒たちは、半年後には卒塾となります。
そこで半年後にせまる巣立ちを見込んで、
この時期に就職活動をはじめる人が増えています。

しかし、僕の頭の中では「???」の嵐です。
半年後に卒塾だから就職活動してるの??
あなたこの1年半で何ができるようになったの?
あなたの鉋、完璧に仕込んであるんですか??
面接に行って、私、こういうことができます!って言えるんですか?
一人で、イスやテーブル作れますか?
書き出せばキリがありません。

先日、このことで塾生とぶつかりました。
でも自分は間違ったことは言っていないと思います。

今の経済状況下、見込みのある人材を入社させて、
一人前に育て上げてきた各業界の大手ですら新規採用を絞っているのに、
ただでさえ厳しいと言われている木工業界が、はいはい、と受け入れるわけがありません。
ちいさな工房なんてなおさらです。

そんなときでも、人を雇い入れるときはあります。
それは、使える人間だからです。
作業効率を上げて、利益につなげてくれる即戦力となる人材だからです。
そんな人材がいたら、どんなに苦しくても採用するでしょう。
だって人件費以上の仕事をしてくれるんだから。

なりたい自分と求められる人材って表現は違えど、案外本質は一緒だったりします。
”出来る人”になればいいんです。
幸いなことに、一般的な仕事に比べて、
木工で”出来る人”というのはわかりやすいんです。

だったら、今一番専念しなきゃいけないのは、やっぱり日々の実習です。
めいいっぱい考えて作業効率を上げ、めいいっぱい体動かして腕を鍛えること。
それ以外にないと思います。

毎日をなーなーに過ごし、実力もまだまだなのに、
卒塾も近いからといって、休みを取って就活にいくというのが、
どうしても腑に落ちません。
ここを出た後、どこか次面倒みてくれるとこありませんかー?って言っているようなもの。
全くの赤の他人なら別にどーでもいい事ですが、日々一緒に作業をする仲間ですから。

焦って就活就活と騒ぎ出すより、
求められる人材と今できることを見極めたうえで、
日々の実習に取り組み、別に卒塾後になってもいいから、
実力がついた時、私はこれができると胸を張って言える時、
改めて工房を訪ねればいいというのが、僕の意見です。
じゃないと、全てが中途半端に終わってしまいます。

せっかく木工という道を歩み始めたんだから。
ここを出るときに胸を張っていられるように、
頑張りたいと思うし、周りもがんばってほしいと思うのでした。

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