「あるべき姿」
トヨタに勤めているときは、この言葉を聞かない、言わない日はありませんでした。
トヨタ式の問題解決法には、このあるべき姿というのをまず把握することから始まります。
常日ごろから、「あるべき姿はなんだ」と自問し、同僚や上司に聞かれ、
体に染みついた考え方の一つです。
それは木工でも同じです。
日ごろの作業の中、どう動くべきか、どう加工すべきか、
頭の中はどう「あるべきか」ということが渦巻いています。
木工では、冶具を多用します。
ある意味、この冶具が全ての作業、加工を可能にしているわけで、
やはりうまい人、先輩、スタッフ、先生はこの冶具製作がとてもうまいのです。
なにか加工をしなければいけないというとき、
どんな方法で加工するのか、どんな危険があるのか、どういう作業をすべきか、
そういったことを念頭に、冶具を作ります。
これも経験がものをいう世界なのですが、
いろんな作業を可能にする、この冶具を作れるようになることは、
今後木工をやっていくなかで必須の能力だと思います。
そんなことを思いながら、
スタッフと考えながら冶具を作るのでした。