生き方

人生で一番大事にしなければいけないものは「時間」であり、豊かさは「家族」「健康」「自由」のバランスで決まる話~その2~

2015年3月20日

Quality of Life

前回の人生で一番大事にしなければいけないものは「時間」だという話をしました時間だけは、どれだけほしくても決められた以上に手に入れることはできず、そして過ぎ去ったものは決して戻ってこないものです。言われてみれば当たり前のことですが、結構見落としがちなところです。

それでは、「時間」が一番大事という前回の話を前提として、次は「人生の豊かさ」についてです。前回紹介したMJ DeMarco氏の「ファーストレーンのお金持ち」という本で次のような一文があります。(MJ DeMarco氏はアメリカでは誰もが知っているリムジンサービスの会社の創設者です)

豊かさは物質的な所有やお金など、「もの」で決められるのではなく、3つの基本の「フ」とオレが呼んでいることで決められる。ファミリー(人間関係)、フィットネス(健康)、そしてフリーダム(選択)だ。この豊かさの三本柱が、キミの本物の豊かさ、そして幸せを見つけ出す場所だ。

3つの「フ」というかっこ悪い翻訳で台無しですが(全体的にこの本は日本語訳がおかしい部分が多いです)、要するにFamily, Fitness, Freedomなんです。このファミリーですが、単なる家族ではなくあらゆる人間関係を含めてのファミリーだと思いますが、ここでは言葉そのままのファミリー(家族)で行きたいと思います。

家族がいて、体も健康であって、そして自由がある

家族と健康というものに、一見別物の「自由」が入っていることがちょっと引っかかりますが、よくよく考えていくと非常に納得できる考え方です。

自由とは、時間を自由に使えるということ

世の中さまざまな「自由」があります。言論の自由だとか表現の自由だとかいろいろありますが、ここで大事なのは「時間に対する自由」です。自分があれしたい、これしたいと思ったときにそれをできる自由。家族と一緒に過ごしたいと思ったときに、それをできる自由。旅行に行きたいと思ったときにそれをできる自由。どれだけ時間に対する自由があるかで人生の質そして豊かさは大きく変わってきます

これを読んだとき、子育てについて考えてみました。なぜ子育てはこんなにも大変なのか。なぜ多くの人が悩むのか。それは、自由がなくなるからです。自分の意思と全く別次元(赤ちゃんの状態)で自分の行動が制限されてしまうからです。ご飯の準備をしなくてはいけないのに、赤ちゃんが泣きだした。もっと寝ていたいのに赤ちゃんがおなかすいたーとわめいてる。いつ何時愛おしいわが子が何を欲求してくるかわからないので常に何が来てもいいように準備をしなくてはいけない。そういう状況が延々と続くので、どれだけ子どもが愛おしくても逃れたいという欲求も出てくるわけです。

働くとは、自分の時間をお金に換えるということ

稲沢 Occa

また、MJ DeMarco氏は多くの人は「現代の奴隷」になってしまっていると書いています。過激な発言ですが、「会社勤め」は現代の奴隷制度だと。

仕事が最悪なのは、それが時間をむしり取ってしまうからだ。仕事において時間との交換をすることが、お金を稼ぐ手段の中心になっている。仕事とは、悲惨な5対2の取り引きの基礎だ。しかし時間という言葉を人生という別の意味に解釈してみるとどうなるか?キミはお金のために自分の人生を売って仕事をしているんだ。

大多数の人がなんかしらの会社に勤め、収入を得ています。それは、週5日間という自分の時間をお金に換える行為だということです。週5日間働き2日間の休みがある。そもそもこの時点で割に合わない取引をしてしまっていますが、休みとしての2日間も結局何かを生み出すわけでもなく、最悪の場合はその次の5日間のために心が支配されてしまっています。

こんなに割に合わない行為をなぜみんなするのでしょうか?答えは簡単です。子どもの時から受けてきた教育がすべてそのように仕向けているからです。それが「普通」だと認識していて、おかしいとは思わないのです。

今、春闘でベースアップがいくらだとニュースで話題になっていますが、僕自身も大手自動車メーカーに勤めていた時は春闘というものをやっていました。従業員みんなでこぶしを突き上げ様々なフレーズを叫びます。その中でものすごく引っかかった言葉が「賃金は労働の対価」という言葉です。みんなで左手を腰に、右手こぶしを突き上げて「賃金は労働の対価だー!」と叫ぶのです。この言葉を知ったとき、会社で働くということに疑問を持ちました。なんかおかしいんじゃないかと。もちろん働いた分は払ってほしいというのは正しいんですが、僕の中で労働というのはあまりいいイメージをもっていなかったので、それと賃金が対価というのであれば、それはなんか違うと直感で思ったのです。そして辞める決断をしました。その時感じたことというのは、この著者がいう「現代の奴隷制度」に対しての違和感だったんだろうと今になって思います。

では、どうしたらいいのか、ということで著者はフォーカスすべきところを「消費」から「生み出す」ことに合わせ直せ、と提言しています。つまり、起業して、自分の時間と関係なく収入を得られる仕組みを構築すべきだと。そうすれば時間に対する自由も確保され、経済的にも安定した暮らしができるということです。まぁ言葉にするのは簡単ですが、それをできる人がどれだけいるか、ってことですね。自分の費やす時間と収入の規模を別次元のものにしなければいけないので、ただ起業すればいい、ってことではないのです。この箇所について気になる人は、本にはいろいろ書いてありますので、ぜひ読んでみてください。非常にためになると思います。ここでは、この辺にしておきます。

そして、家族と健康はどれだけ時間に対する自由があるかにも影響される

家族と健康という言葉は、豊かさを図る3本柱のうち比較的理解しやすいものだと思います。家族関係が良好であること、仲が良いこと、子どもと幸せな時間が過ごせること。そして体が健康であること。どれも大事なことです。いい家族がいても自分が病気ではいけません。自分がどれだけ元気でも、家族とぎくしゃくしていたら、結局ストレスを多く抱えてしまいます。相互に影響しあっていて、どれかがあればいいというわけでもありません。

そして、そこに時間に対する自由を一緒に考えてみると、家族と一緒に過ごす時間が少ない、運動する時間が取れないなど時間に関した悩みが多くあるのがわかります。時間に対する自由度が非常に大きくかかわってきているのです。つまりこの3つがバランスとれてはじめて豊かさを感じることができるのです。

最後にとっても重要な「選択」について

パパデイ 201508

ここまで読んできた人の中には、それは結局理想論だよ、と思う人も多いと思います。僕もそう思います。でも一方で、その理想に向けて歩んでいきたいという思いもあります。

そこでとっても重要なのが「選択」という概念です。今の状況に対して不満があるなら、それは自分が行ってきたことが間違っていたということ。今の職場の人間関係が気に食わない、給料が低い、夫婦関係がうまくいかない、そりが合わないなどなど、様々な不平不満は日ごろから多く耳にしますが、結局それを選択しているのは自分です。嫌だったらやめればいい、かえればいい。そこで行動できなければ、それまでってことなんだと思います。

僕は、家族との時間を大事にしたいという強い思いがあり、そのために会社も辞め仕事を変えました。現在MJ DeMarco氏がいう時間と収入を分けることはできていませんが、現在の職場は比較的自由に動けます。なのでバランスよく過ごせているのです。

どんな小さなことでも、人は考え、何らかの選択をして生きていきます。その一つ一つの選択を自分の理想と照らし合わせて選んでいく、その積み重ねで人の人生が形作られるということです。なので、自分がどんな暮らしをしたいか、自分がどんな人生を歩みたいか、そういう思いを持つことはとても大事だと思います。その日暮らしで明日になればいいことあるさ~では決していいことなんてありません。理想、希望を持ったうえで「選択」をしていくことが大事なんだと思います。

最後に。
僕はこの本を年末ミャンマーを旅しながら読んでいました。本当はこの本のことやここに書いた考え方については特にこのブログで紹介するつもりはありませんでした。でもこのことで悩んでいる友人がいたこともあり、ここに記しておこうと思いました。これをブログ記事を読んで、何か気づきがあれば幸いです。

おすすめ関連記事

-生き方

Copyright© Simplife+ , 2024 All Rights Reserved.